自動車ショー、出展企業が減少=激化する市場競争、関税も影―中国・上海

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2025年04月25日 08:01  時事通信社

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時事通信社

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の展示場=24日、中国・上海
 【上海時事】中国・上海で開催中のモーターショーには、主催者発表で国内外の1000社近くが出展した。ただ、前回2023年は1000社を超えており、今回姿を消したメーカーも多い。中国市場の「競争激化」(日系メーカー幹部)が反映された。トランプ米政権が発動した145%の対中追加関税は今後、景気を圧迫するとみられ、自動車消費の先行きに影を落としている。

 上海ショーは北京ショーと隔年で開催される世界最大級の自動車展示会で、今回もトヨタ自動車やドイツのフォルクスワーゲン(VW)など各国の主要メーカーがそろって参加した。

 ただ、中国メディアによると、韓国の現代自動車と起亜は今回、いずれも20年超ぶりに出展を見送った。中国国有大手、広州汽車集団の展示エリア近くでは、同国動画配信サービス大手のビリビリが専用ブースを設けて存在感をアピール。ある日系メーカー幹部は、主催者が「何とか空間を埋めようとした」と推測する。

 中国では近年、電気自動車(EV)各社が激しい値下げ競争を展開。販売台数が伸びても利益を確保できない企業が増えている。24年12月には、同国の民営自動車大手、吉利とIT大手の百度が共同出資するEV企業が事実上破綻するなど、事業者の淘汰(とうた)が一気に進展。報道によると、同年の主な事業者数は100社以下と、18年の4分の1以下に減った。

 日系メーカーでは、三菱自動車が23年、中国での車両生産からの撤退を発表。トヨタとホンダ、日産自動車の大手3社を合わせた販売台数はピークから3割も減った。

 ここに追い打ちをかけたのがトランプ関税だ。景気の先行きに不安が高まっており、ある中国メーカー幹部は「次回もここにいられるか分からない。だからこそ存在感のアピールに全力を尽くす」と危機感をあらわにする。

 こうした中、各社は海外展開を加速している。日産は中国からの輸出を強化する考えを表明。中国EV最大手、比亜迪(BYD)の幹部は、日本市場に合わせた軽自動車を開発し、26年から日本で販売する計画があると明らかにした。 

中国動画配信サービス大手「ビリビリ」の展示場。動画配信者らがデザインした車を持ち込んだという=24日、中国・上海
中国動画配信サービス大手「ビリビリ」の展示場。動画配信者らがデザインした車を持ち込んだという=24日、中国・上海

このニュースに関するつぶやき

  • 単純に、中共市場が萎縮中だからでしょう。
    • イイネ!4
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