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高速道路の逆走は各地で相次ぎ、毎年全国で200件ほど発生している。逆走が起きる場所は、インターチェンジ(IC)とジャンクション(JCT)が約7割に上る。
国土交通省によると、2023年は224件の逆走事案があり、うち39件が事故につながった。このうち8件は、当事者が死亡するなどの重大事故だった。
23年の事案を運転手の年代別にみると、65歳以上が約7割。例年高齢者が多く、認知症による逆走も増加傾向にある。
事故が起きた例のうち、逆走を始めた位置はIC・JCTが約7割を占めた。本線上は2割程度だった。
危険な逆走はなぜ起きるのか。最も多いのは、入り口を間違って高速に進入するなどの過失によるものだ。一方、目的のICを通り過ぎたり、分岐を間違えたりして、本来のルートに戻ろうとして故意に逆走するケースもある。
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国交省は「29年までに逆走による重大事故ゼロ」という目標を掲げ、正しい進路を示す標識の設置などを進めている。自動料金収受システム(ETC)やカーナビを活用し、逆走車の運転手に警告を出す技術も研究されている。
九州大大学院の志堂寺和則教授(交通心理学)は「今回の原因はまだ分からない」とした上で「ICの交差点からの逆走は、立体交差にすれば防ぐことができる。逆走が起きやすい地点で対策をさらに進めていくしかない」と話す。
警察庁によると、逆走車は正しい方向から見て最も右の車線(追い越し車線)を走ってくることが多く、左側の車線を走る方が安全という。警察庁は、逆走車を発見したら速度を落として路肩などに停車し、安全な場所から通報するよう呼び掛けている。【最上和喜、田中綾乃】
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