限定公開( 1 )
6月6日から公開されている映画『国宝』。配給の東宝は16日、興行収入が11.9億円、観客動員数が85万人を突破したことを発表し、大ヒットを記録している。
SNSでは連日、映画を鑑賞したユーザーによる絶賛のレビューが投稿されているが、映画のロケ地にもなった兵庫県の斎藤元彦知事(47)の琴線にも触れたようだ。
斎藤氏は16日に更新したXで、映画公式サイトのURLを添えるとともに、《現在、豊岡市の芝居小屋「出石永楽館」がロケ地になった映画「国宝」が上映中です》と投稿。そして、こんな感想を寄せたのだ。
《一人の歌舞伎役者の壮絶な人生を描いた壮大な一代記に、どれほど険しい道であろうとも、“己の道”を歩み続ける姿に、私自身、ぐっと感情移入しました》
同作は任侠の一門に生まれ、父親を抗争で失った後、歌舞伎役者に引き取られ、女形の役者として芸の道に身を捧げる主人公・立花喜久雄(演・吉沢亮)の50年にわたる生涯を描いた3時間超の超大作。斎藤氏の投稿は自身も険しい道を歩んでいることを訴えるかのような“意味深”なものになっている。
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たしかに、内部告発文書に端を発する兵庫県の一連の問題をめぐり、斎藤氏も“いばら道”を歩んでいるといえるかもしれない――。
「問題の発端は、昨年3月に兵庫県の元県民局長の男性(’24年7月に死去)が斎藤氏をめぐるパワハラ疑惑などを告発した文書。その中では、’23年のプロ野球オリックス・阪神の優勝パレードの資金集めのため、斎藤氏らが県内の信用金庫への補助金を増額し、寄付としてキックバックさせていたという問題も指摘されていました。
キックバック問題については、昨年10月に市民団体が刑事告発しており、兵庫県警は今年6月13日、斎藤氏と片山安孝元副知事を背任容疑で書類送検。ただ、疑惑を調査していた特別調査委員会(百条委員会)は今年3月に『キックバックの事実はなかった』と結論付けています。
とはいえ、斎藤氏をめぐっては、昨年11月の兵庫県知事選で、選挙運動における買収を禁じる公職選挙法に違反した疑いも持たれており、県警と神戸地検は今年2月、知事選で斎藤陣営のSNS運用を含む“広報全般”を担ったと主張している西宮市のPR会社『merchu』と関係先を家宅捜索。斎藤氏はSNS運用に金銭を支払った事実はないとしていますが、こちらも真相はいまだ明らかになっていません。こうした疑惑がつきまとう以上、スムーズに“県政を前に進める”のは難しいでしょう」(社会部記者)
斎藤をめぐる“疑惑”はこれだけではない。
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「兵庫県の第三者委員会は5月27日、元県民局長の男性の私的な情報が漏えいした問題について、斎藤氏の側近だった井ノ本知明元総務部長が漏えいしたと認定。昨年4月、井ノ本氏は、男性の公用PCに保存されていた私的情報を印刷したものを県議3人に見せたり、口頭で内容を話したりしたとされています。そして、その漏えいの背景に、斎藤氏と片山氏による“指示があった可能性が高い”と結論付けています。
当の井ノ本氏は、第三者委の聴取に対し、そのような文書が存在することを議員と“情報共有”するよう、斎藤氏から指示されたと証言。その場にいた理事(当時)は、片山氏に対し、斎藤氏から指示があったことを報告すると、これを受けた片山氏は『(斎藤氏の指示があるため)特に反対もせず根回しするよう指示した』と証言。3人が斎藤氏による“指示”を認めたかたちですが、斎藤氏は否定。3人と斎藤氏の主張が割れたままで、いまだ解決されていません」(前出・社会部記者)
3月には第三者委員会から10件の言動がパワハラと認められるなど、日に日に“外堀”が埋まりつつある斎藤知事。しかし、それでも会見では「重く受け止める」という答えを繰り返すばかりで、進退について言及することはない。
それだけに、前述した映画『国宝』の感想投稿には、X上で、
《そりゃ斎藤さんは確かに「己の道」を歩んではりますけど、歌舞伎役者の壮大な一代記に自身を重ね合わせて感情移入するのはさすがに厚かましすぎるんとちゃいますかね》
《その己の道とやらを振り返ってみたことある? あなたが踏みつけてきた悲しみと憎しみで溢れてるよ》
《「どれほど険しい道であろうとも、“己の道”を歩み続ける姿」 がご自分だと? さすがに恥ずかしくないですか、、?》
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と厳しい声が寄せられている。斎藤氏の“険しい道のり”が終わる日は――。
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