白石死刑囚の刑執行＝座間アパート９遺体事件―２年１１カ月ぶり、石破政権初・法務省

　２０１７年、神奈川県座間市のアパートで男女９人を殺害したとして、強盗・強制性交殺人などの罪で死刑が確定した白石隆浩死刑囚（３４）の刑が２７日、執行された。法務省が同日発表した。

　死刑執行は、２２年７月の秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大元死刑囚＝執行時（３９）＝以来２年１１カ月ぶりで、石破茂政権では初めて。死刑確定から約４年半での執行となった。法務省によると、２年１１カ月は、死刑執行の当日公表を始めた１９９８年以降で最長。確定死刑囚は１０５人になった。

　記者会見した鈴木馨祐法相は「自己の性的、金銭的欲求を満たす身勝手な理由から２カ月の間に９人の尊い人命が奪われる極めて重大な結果を発生させ、社会にも大きな衝撃や不安感を与えた」と述べた。２３日に執行を命令したという。

　確定判決によると、白石死刑囚は１７年８〜１０月、ツイッター（現Ｘ）で知り合った当時１５〜２６歳の男女９人を自宅アパートに招き、ロープで首を絞めて殺害。うち女性８人に性的暴行を加えたほか、全員から現金数百〜数万円を奪い、遺体を解体して遺棄した。

　一審東京地裁立川支部は、被害者全員が殺害を承諾していなかったと認定。動機を「金銭、性欲目的」とし、完全責任能力を認めた上で、「犯罪史上まれに見る悪質な犯行」として死刑を言い渡した。