ここ数年、外国人観光客が非常に増えた。その影響は電車やバスなどの公共交通機関にも及んでいる。利用に関するマナーは日本と海外で異なる場合が多く、彼らに悪気はなくとも周囲が「迷惑」と感じてしまうケースが少なくない。
◆指定席に勝手に座る外国人観光客
伊藤フローラさん(仮名)が新幹線を利用した際の出来事だ。
「大型連休の時期で指定席が完売だったため、多くの外国人観光客が立っていました。始発駅を出発した段階では空席がちらほら見受けられましたが、この先の駅で乗客が乗ってくる予定でした」
全車指定席の新幹線や特急列車では、乗り切れない場合にデッキや通路に立って乗車できる「立席特急券」や「座席未指定券」が発売されることがある。
「それまで立っていた外国人観光客が、途中で空いていた指定席に座ったんです。ただ、問題はその後でした。次の駅に到着して指定席券を持っている乗客が来ても、彼らは席を譲ろうとしなかったんです」
自分の指定席に見知らぬ外国人が座っているなんて、さぞかし驚いたはずだ。
「お互いに慣れない英語で会話をしているため、なかなか意思疎通が取れないようでした」
なんとか理解したようで彼らは通路に移動したが、問題は席だけではなかった。
◆車内のスペースを圧迫する大量のキャリーケース
多くの外国人観光客がキャリーケースなどの大型荷物を持ち込んでいるため、車内のあらゆるスペースが圧迫されていた。
「駅に到着するたびに新しい乗客が乗ってくるのですが、外国人観光客は通路や入り口を占領し、通れるスペースを開けようとしないんです。特に混雑している時期だったこともあり、ほとんどの乗客のフラストレーションが溜まっていたように見受けられました」
そして、外国人観光客による荷物の扱いが原因で、ちょっとしたトラブルが発生したという。
「入り口付近に大型の荷物をまとめて置くことができるスペースがあるのですが、明らかに軽くて壊れやすそうな子ども用キャリーケースの上に、外国人観光客の大きくて重いキャリーケースが積み上げられていく様子が見えました」
大きな荷物が乱雑に置かれていき、結局は電車の揺れとともに崩れてしまったのだ。幸い乗客にぶつかることはなかったが、怪我や荷物の破損にもつながりかねない。
ちなみに、新幹線の荷物スペースは事前に予約が必要な場合もある。彼らが予約していたのかどうかは定かではない……。
「目的地に到着し、外国人観光客たちは自分の荷物を回収していきましたが、子ども用キャリーケースは塗装が傷ついて変形していました。荷物の扱いに関して日本人が過敏すぎるのか、はたまた外国人が無頓着なのかわかりませんが、正直、外国人観光客を見ているとモヤモヤしましたね」
<文/日刊SPA!取材班>