関税合意、消えた続投名目=自民に首相進退「8月表明」シナリオ

121

2025年07月24日 07:36  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

記者団の取材に応じる石破茂首相=23日午後、東京・永田町の自民党本部
 自民党内で、石破茂首相(党総裁)の「8月退陣表明」シナリオが半ば公然と飛び交い始めた。参院選の敗北を受けた「石破降ろし」の動きが一段と加速。日米関税交渉の合意で、続投の名目も消えた格好だ。

 「強い危機感を共有した。党の分裂は決してあってはならないなどの話があった」。首相は23日、首相経験者の麻生太郎、菅義偉、岸田文雄各氏との1時間20分余りの会談後、硬い表情を浮かべたまま党本部で記者団にこう説明した。

 「3重鎮」との会談を急きょセットした首相の胸中には、党内で強まる逆風への焦りが渦巻く。記者団には「進退は一切話していない」と続投への意欲を強調したが、同席した森山裕幹事長は「いろんな意見があることは(3氏も)耳にしているだろう」と微妙な言い回しを見せた。

 実際、党内の亀裂は深まっている。23日は党神奈川県連が首相に「けじめ」を求める要望書を提出。党青年局主催の緊急会議では、地方組織から「即時退陣」の要求が相次いだ。旧茂木派メンバーは首相への辞任要求を念頭に、両院議員総会の開催を求める署名集めを始めた。

 表向き結束を示した「3重鎮」の思惑もさまざまだ。麻生氏は会談後、昨年の党総裁選で首相と争った高市早苗前経済安全保障担当相と面会。菅氏は側近の阿達雅志総務副大臣と今後の政治日程などを協議した。岸田氏も22日に旧岸田派幹部の林芳正官房長官と対応策を話し合った。

 「話は盛り上がらなかった」。3氏の一人は、首相との会談が腹の探り合いに終始したことをにじませた。別の一人は「続投を容認したわけではない」と述べた。

 ここに来て、首相が「国難」と位置付け、続投の大きな理由に挙げた日米関税交渉が合意。自民内では首相退陣の「花道が整った」(関係者)との見方が急拡大している。

 8月には、被爆地の広島、長崎で戦後80年の節目となる平和式典、横浜で日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)が控える。「そこで首相のスケジュールは終わる」。自民幹部はこう断言した。

 森山氏ら党執行部は、参院選を受けた両院議員懇談会を28日に前倒しし、8月中に総括を取りまとめる方針だ。政府関係者は「首相も『8月まで』と分かっているはず。今は言えないだけだ」と強調した。 

このニュースに関するつぶやき

  • おかしいなぁ?本来なら衆院選の後で「即座に辞めて、落ちた人のところに謝って回る」だろ?ホント、こいつはウソツキだねぇ・・(以前にそういって安倍さんを罵倒してた)
    • イイネ!25
    • コメント 10件

つぶやき一覧へ(90件)

前日のランキングへ

ニュース設定