睡眠専門医に聞いた「お金をかけずに朝までぐっすり眠る方法」がお手軽で最高だった!

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2025年08月11日 11:10  web女性自身

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今年の夏の睡眠に「満足していない」人は全体の63%──。パナソニックが7月9日に発表した、夏の睡眠に関するアンケート調査では、約3人に2人が眠りについて何らかの悩みを抱えている実態が明らかになった。



その最大の要因が、寝苦しさ。一日の最低気温が25度以上という熱帯夜が続いている。しかも、気象庁の予報によれば、8〜9月も全国的に厳しい暑さが続くとのこと。これまで年々増加していた熱帯夜の日数も、過去最多を記録する勢いだ。暑さの影響で寝つきや目覚めが悪く、睡眠不足を抱えて過ごしている人は少なくない。しかし、たかが寝不足と侮ってはいけない。『不調・ストレスも撃退!老けない人の睡眠習慣』(大洋図書)の監修者で、睡眠を専門とする坪田聡医師(雨晴クリニック院長)が語る。



「50代以上、特に女性はホルモンバランスの関係から“眠る力”が衰えがちです。そのうえ、酷暑の影響もあって睡眠の質が低下している中高年が急増しています。



睡眠は疲労回復だけでなく、体全体のメンテナンスをして病気を未然に防ぐという大事な働きをもっています。睡眠不足が続くと、疲労感や食欲不振など不調が表れます。また免疫力が落ち、がんや感染症などさまざまな病気にかかりやすくなるというリスクも」



反対に、睡眠を大切にすれば、病気や老化を寄せつけない健康的な生活にもつながることに。猛暑に負けない“睡眠力”のポイントを坪田先生に解説してもらった。



「快眠のために気を配っていただきたいのが『体内時計』と『深部体温』です。一日の生活のなかでもこの2つを意識してください」



海外へ旅行すると時差ボケになるが、それは私たちの体のリズムをコントロールする体内時計が乱れるから。人がどの時刻に何をするかは、この体内時計がコントロールしている。



「体内時計と睡眠は密接に関わっています。朝起きて太陽の光を浴びると体時計がリセットされ、約16時間後に自然に眠りに誘われます。この体内時計が乱れると、睡眠のリズムにも影響を与えます。そのため、起床時間はできるだけ毎日そろえておきたいところ。休日といえども、朝寝坊は2時間以内にとどめましょう」



体内時計には、脳の視床下部にある「中枢時計」と、体中の細胞にある「末梢時計」の2つがあり、中枢時計は光の刺激で、末梢時計は食事などの刺激を受け、リズムを刻み始める。体内時計を整えるには朝食を取ることも忘れずに。



また、日中の活動レベルが高いと、睡眠の質も上がるという。



「体を動かすとき、筋肉だけでなく、指令を出す脳も働いています。脳は日中の疲労を癒すため深く眠る必要があります。それが睡眠の質を向上させるのです。エスカレーターではなく階段を使うなど、日ごろから体を動かすことを心がけましょう。



また、適度な昼寝は睡眠の質を向上させることがわかっています。ただし、体内時計に影響を与えないため“15時までに、20分以内”で。眠る前に覚醒作用のあるカフェインが多いコーヒーや緑茶を飲んでおくと寝すぎを防ぐことができます。昼寝前には有効なカフェインですが、血中に長時間とどまるため夜の睡眠に影響が。夕方以降は摂取を控えましょう」



夕方からの行動は、スムーズな入眠のための準備と捉えよう。食事や光の刺激が睡眠を妨げないように心がけたい。この準備段階で意識しておきたいのが深部体温の変化だ。



「脳や内臓など体の中の熱である深部体温は、脇の下で測る皮膚体温より0.5?1度高くなっています。私たちの体は深部体温が徐々に下がっていくときに入眠を促します。深部体温を下げる役割を担うのは血液です。赤ちゃんが眠る前に手足がポカポカしているのは、手足の毛細血管が開いて、体の深部の熱を放熱しているためです」



暑い時季は、シャワーで済ませるという人も多いが、深部体温を下げながらスムーズに入眠するには入浴が効果的だ。



「深部体温は、上昇すると、そのぶん下がる作用が働きます。38度のぬるま湯に20分ゆっくりとつかれば、その1〜2時間後に深い眠りに誘われてくるのです。長すぎる入浴や42度以上の熱い湯は深部体温の熱が逃げにくくなり眠気を催すのが遅くなるため避けましょう」



ふだんの行動を、睡眠にメリットがあるようシフトさせていくことが大切だ。



快眠のためのサプリなども多く販売されているが、それらに頼らず日々の食事に気を配るだけでも眠りの質の改善は可能だという。



「睡眠によい食べ物を意識して取ることも、心地よい眠りへの近道。カギとなるのは『トリプトファン』『グリシン』『GABA』という3つのアミノ酸。睡眠ホルモン『メラトニン』の材料になるトリプトファンは、 朝に取ると、目覚めがスッキリして、夜はぐっすり眠れることが知られています。朝食を取っていない人は、バナナと牛乳から始めてみてはいかがでしょうか。また、サケ、イワシ、海藻類、乳製品に多く含まれるビタミンB12をトリプトファンと一緒に取ることで、メラトニンが効率的に作られます」



さらに「グリシン」には血管を拡張させ、深部体温を下げやすくし、寝つきをよくする効果が。睡眠を阻害するストレスを抑制する「GABA」も、快眠のためにぜひ摂取しておきたい成分だ。



「グリシンは体温を下げてくれるので、特に暑い季節にはおすすめです」



睡眠時間を調整したり、神経の興奮を抑える「カルシウム」、不足すると不安やイライラを引き起こす「鉄」なども併せて取ることが夏の快眠には不可欠だ。



「快眠の基本は1日3食。これは体内時計を整えるためにも大切です。特に朝食は、体内時計をリセットするために重要。そして、夕食は少なめにし、就寝の3時間前までに済ませるのがベストです。夕食の量が多いと、体温上昇が続くため、眠りには悪影響が。食べすぎにも注意が必要です」



就寝前のNGな成分では、眠気を覚ますカフェインは知られているが、アルコールにも要注意。



「寝酒をする人もいますが、飲みすぎて寝ることは“気絶”と同様で、本来の睡眠とはいえません。また、消化に時間がかかる脂っこいものを就寝前に食べると、消化不良の状態で眠ることに。胃や腸が活発に動いているので眠りが浅くなり、やはり睡眠リズムが乱れます。朝になってもおなかがすかず、朝食が取れなくなることも。



空腹で眠れないときは、きゅうりやこんにゃくゼリーなど低脂肪、低カロリーなものを口にするのがよいでしょう」



ミントやカフェインなど覚醒作用があるものは、日が暮れたら口にしない。思い当たる食習慣がないか、いま一度チェックしよう。

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  • 肉体労働をしてお金を稼いで、お風呂に入って寝る・・とかだと、お金も儲かるけどね(苦笑)
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