パレスチナ承認の是非検討=日本政府、22日に立場表明へ

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2025年09月05日 07:31  時事通信社

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時事通信社

記者会見する林芳正官房長官=4日午前、首相官邸
 日本政府はパレスチナを国家承認するかどうかの検討に入った。これまでは米国とイスラエルに配慮して慎重な立場を取り続けてきたが、フランスや英国が相次いで承認にかじを切ったことを踏まえ、追随すべきか議論する。パレスチナ問題を巡っては国連総会に合わせて22日に米ニューヨークで首脳級会合が予定されており、日本政府はその場で立場を表明したい考えだ。

 日本政府はパレスチナとイスラエルが平和的に共存する「2国家解決」を支持する立場。しかし、パレスチナを国家としては認めていない。林芳正官房長官は4日の記者会見で、国家承認について「適切な時期や在り方を含め、総合的な検討を行っていく」と述べるにとどめた。

 フランスと英国に加え、国際社会ではカナダ、オーストラリア、ベルギーなども国家承認の方針を表明した。背景にはパレスチナ自治区ガザの人道状況の悪化がある。イスラム組織ハマスとの停戦に応じないイスラエルに圧力をかけ、和平の実現を後押しするのが狙いだ。

 外務省関係者は「日本としても当然考えなければならないフェーズに入った」と指摘する。同省幹部は「国連総会の際に各国から判断を問われる。そこが節目になる」と語った。

 ただ、判断は「難しい」(政府関係者)のが実情だ。「人間の安全保障」を重視する日本としてガザの人道状況を放置できないとはいえ、国家承認に踏み切れば「イスラエルの反発を買う」(外務省関係者)のは確実。そのあおりでパレスチナ支援が阻害される恐れもある。

 イスラエルの後ろ盾である米国との間で波風が立つのも避けられない。外務省幹部は「もし日本が承認すれば、国際社会から米国と一線を置いたと捉えられるかもしれない」と危惧した。

 外務省幹部は「最後は首相官邸の政治判断になる」と強調する。参院選惨敗を受けて石破茂首相の足元がぐらついていることが日本政府の判断に影を落とす可能性もある。 

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  • 民間人の人質を取る。民間人を虐殺する。そんな政府を抱えたトコには制裁以外の何もする必要はない。
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