
南の海上で発達し続ける渦を巻く怪しげな雲。5日午前3時に発生した台風22号の影響で小笠原諸島は早くも強風や高波など影響が出るとみられる。その後、西寄りに進み、南西諸島方面でも徐々に風や波の影響が出始める。10月台風の特徴は、日本付近で急に向きを変え、本州に近づくケースがあること。台風22号の今後の進路に注意が必要だ。
台風22号の今後の進路に注意を
台風22号は小笠原近海を西にゆっくり進んでいます。小笠原諸島では5日(日)から6日(月)にかけて強い風が吹き、うねりを伴って波が高くなるとみられます。予想される風や波の高さは以下の通りです。
[風]
5日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
小笠原諸島 15メートル (25メートル)
6日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
小笠原諸島 15メートル (25メートル)
[波]
5日に予想される波の高さ
小笠原諸島 3メートル うねりを伴う
6日に予想される波の高さ
小笠原諸島 3メートル うねりを伴う
その後7日から9日かけても海面水温の高い海域を西よりに進み、「強い」勢力へと発達する見込みです。西よりに進むにつれ、予報円が重なっているのが見てとれます。これは台風の強さや大きさとは関係なく、位置の誤差が大きくなることを示唆しています。
10月台風の特徴とは?
台風の進路は、太平洋高気圧の勢力範囲や偏西風の位置によって決まります。一般に秋になると、太平洋高気圧は徐々に南へ後退し、南の海上から放物線を描くように日本付近で東寄りに進路をとるように変わってきます。
先月後半に発生した、台風18号や台風20号、現在発生中の台風21号は、南の海上で発生したあと西よりに進み、日本から離れましたが、一般的な10月の進路は、太平洋高気圧の勢力が弱まり、偏西風が南下するため、日本付近で急に進路が変わり、接近するケースもたびたび見られます。近年では東日本一帯に甚大な被害をもたらすなど大きな爪痕を残した2019年台風19号(令和元年東日本台風)や伊豆諸島に大規模な土砂災害をもたらした2013年の台風26号があげられます。
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台風の大雨 土砂災害から身を守るための情報
台風が近づくにつれて、大雨のもとになる「暖かく湿った空気」が流れ込むので、雨が続いて、土砂災害が発生する恐れがあります。土砂災害から身を守るには、次の2つの情報をチェックするのが、おススメです。
1つめは、住んでいる場所(今いる場所)が、土砂災害が発生しやすいかどうか、確認することです。都道府県や国土交通省のホームページを見て、「土砂災害警戒区域」や「土砂災害危険個所」となっていれば、土砂災害の恐れがあります。ただ、土砂災害警戒区域でなくても、近くに「がけ」がある所は、注意が必要です。
2つめは、雨の情報を確認することです。パソコンやスマホで、雨雲レーダーを見ると、雨雲の様子を確認できますし、気象庁のホームページなどでは、「どれくらい雨が降ったか」という情報だけでなく、「土砂災害警戒情報」が発表されている所もわかります。土砂災害警戒情報が発表されたら、自治体からの避難指示の発令に特に注意しながら、安全な所へ避難してください。