


私が離婚届を取り出すと、ヒサシはいっそう大きな声で威圧し始めました。「なんだよこれ! ふざけてんのか!」きっと大声で脅せば、私が萎縮して取り下げると思ったのでしょう。しかし私は怯まず、離婚届へのサインを求めました。




ヒサシは途端に黙ってしまいました。自分の発言が今まさに録音されていると思うと、うかつなことを言えなくなったのでしょう。たとえ録音機器を探し出して壊したとしても、すでに大量の録音データが他人の手に渡っているのです。


離婚届を突きつけても、ヒサシは私のことをバカにしてあざ笑っていました。怒鳴りつけるたび震えて謝っていた妻に、まさか離婚する度胸があるなんて思っていなかったのでしょう。
けれどタケルのために離婚を決意してからの私は、本当に強くなれたと思っています。罵声を浴びせられても冷静に証拠の音声データを録ることができました。
|
|
原案・ママスタ 脚本・motte 作画・なかやまねこ 編集・井伊テレ子