自民党・公明党の26年に及ぶ協力関係が白紙となり、政界に激震が走っている。10月10日、公明党・斉藤鉄夫代表(73)が自民党との連立政権から離脱する方針を表明。同日に斉藤氏と会談した自民党・高市早苗総裁(64)は、記者団に「一方的に連立からの離脱を伝えられた」と説明していた。
「1時間半にわたって行われた党首会談では、斉藤氏が自民党派閥の政治資金問題のけじめとして企業・団体献金の規制強化を要求。しかし高市氏は“これから検討する”との回答を繰り返し、その場で具体的な回答を得られなかったことから、斉藤氏が連立離脱を伝えたとのことです。
高市氏は新総裁に就任後、9日に出演したNHKの番組で『自公連立は基本中の基本』と明言していました。公明党が裏金問題を懸念するなか、政治資金収支報告書に多額の不記載があった萩生田光一氏(62)を幹事長代行に登用したことも疑念を深めてしまったようです」(全国紙政治部記者)
首相指名選挙での野党候補の一本化をめぐり、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が協議を進めるなど、高市氏が首相に選出される可能性は不透明さを増すばかり――。そんななか、“身内”を追い詰めるような自民党議員の発言が波紋を呼んでいる。
「私個人は岐阜の活動のなかで、とてもフェアに公明党の皆さんと付き合ってきて、対立することもなかったし、癒着もなかった。いい感じで自然体でお付き合いできてきているので、正直、いまどう表現していいかよくわからないです」
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12日に更新した音声プラットフォーム「Voicy」で、こう語ったのは野田聖子衆院議員(65)。自民党・公明党の連立解消に言及した際に、新たに発足した高市執行部に苦言を呈するような一幕があった。
冒頭の発言に続けて、「どうなっちゃうんでしょうね?」と投げかけた野田氏。「私もこういう風になるとは想定してなかったんだけど、やっぱりね、人って相手とのコミュニケーションじゃないですか」と切り出し、こう指摘したのだ。
「今回の自民党のトップみたいな人たちは常に、自公でやってきてもアンチの発言が多かったんで。人間ってやっぱり悪口を言われると、言った方は忘れちゃう。でも言われた人は一生忘れないって。そういうのもあったのかなぁと思います」
続けて「私の政治活動っていうのは別に、どんな状態でも変わらない」とし、「自分が野党のときも法律や色んな制度を作ってきたし、与党のときも当然他党の人たちと一緒に作ってきたんで、そのペースは変えたくない」と超党派をアピール。また、“自民党は福祉、女性政策に弱い部分がある”とも言及した上で、「自公連立で公明党の方に支えてもらって、いい法律ができた」と公明党への感謝の気持ちを述べていた。
ひとりの議員として私見を述べた野田氏だが、Xやネットでは次のような批判が噴出している。
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《党員が選んだ総裁をなんだと思ってるの?》
《高市さんが気に入らないし、女性初の総理候補だから嫉妬してんじゃないの?》
《自分が女性初の自民党総裁になれなかったから、妬んでいるのでしょう》
《気に入らなければ離党して公明に入党すれば良い。所属しながら公明党を推すのは違う》
《自分は清廉潔白とでも言いたいのだろうか フルスペックで選ばれた総裁、 みんなで一致団結頑張ろうって言ったばっか。何にもしてないのにコケ下ろす一議員。公明党に文句言ってこい。野田聖子、党員バカにしてるわ》
「野田氏は『Voicy』のなかで、公明党が連立解消に踏み切った理由については一切触れていませんでした。高市執行部の“コミュニケーション不足”を問題視しながら、自身は公明党とは良好な関係を築いてきたことをアピールしたかたちです。
そんな野田氏といえば、総裁選をめぐって悔しい思いを何度も経験してきた人物。総裁選の立候補には国会議員20人の推薦が必要ですが、’15年、’18年、’20年と過去3度にわたって推薦人を集められず立候補を断念しています。’21年の総裁選でようやく推薦人を集めることができましたが、議員・党員票合わせて63票と最下位の結果に。『日本初の女性首相をめざす』と公言していたものの、高市氏には125票の差をつけられていました。
昨年に続いて今回の総裁選では、自身と同じく選択的夫婦別姓制度の導入を訴えてきた小泉進次郎氏(44)を支援。決選投票で高市氏が当選すると、野田氏は『党の大きな“ガラスの天井”を割ってくれた』とエールを送っていましたが……。これまで総務相や党の総務会長、幹事長代行など数々の要職を経験していただけに、野田氏の活躍にも期待が寄せられていたはず。しかし、党員・党友票数トップで当選した高市氏を後ろから撃つような発言は、逆効果になってしまったようです」(前出・全国紙政治部記者)
“内輪揉め”をしている余裕はいまの自民党にはないことを、野田氏も理解しているはずだが……。
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