遺族「懲役7年以上、気持ち伝わった」 首都高6人死傷事故で実刑判決

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2025年11月04日 17:50  毎日新聞

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判決後、事故で亡くなった杉平裕紀さんの写真とともに記者会見する妻智里さん=東京・霞が関の司法記者クラブで2025年11月4日午後5時5分、安元久美子撮影

 首都高速道路で2024年5月、大型トラックが渋滞の列に突っ込み、3人が死亡、3人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などに問われた元トラック運転手、降籏(ふりはた)紗京(さきょう)被告(29)に対し、東京地裁は4日、懲役7年6月(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。事故で夫の杉平裕紀さん(当時42歳)を亡くした智里さんは判決後の記者会見で「納得できるものではないが、7年以上の判決が出たことは(遺族の)気持ちが伝わったと思う」と語った。


 大川隆男裁判長は判決言い渡し後、被告は「現実逃避している」とした上で、「通り一遍の謝罪は誰の心にも響かない。遺族の深い悲しみと怒りの陳述を何度も思い出して心に刻み、逃げることなく考え続けてほしい」と説諭した。


 智里さんは記者会見で、「主人が帰ってこない現実がある。苦しみは変わることはない」としつつ、「裁判長は遺族の苦しみを口に出して言ってくれた。心を打たれた」と述べた。


 判決によると、降籏被告は24年5月14日朝、体調不良だったにもかかわらず、大型トラックを運転。埼玉県戸田市の美女木ジャンクション(JCT)付近の首都高5号池袋線下りで、渋滞の列に時速75〜80キロで追突して計6台を巻き込む事故を起こし、6人を死傷させた。


 大川裁判長は判決で「安全運転への配慮を高度に求められる立場なのに、無謀な運転を漫然と継続しており、過失は極めて大きい。前触れもなく突然大切な家族を失った遺族の心痛は計り知れない」と指摘した。【安達恒太郎】



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  • 謝罪するとき、被害者のフルネームを覚えていなかった。家族はそれに怒り心頭。しかし被告人には軽度知的障害の可能性が見て取れ、責任能力をどの程度と見積もるのか。難しい判断だったはず。
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