衆院予算委員会で立憲民主党の馬淵澄夫氏の質問に答弁する高市早苗首相=10日午前、国会内 衆院予算委員会は10日午前、高市早苗首相と全閣僚が出席し、2日目の基本的質疑を行った。首相は台湾有事を巡り、自衛隊が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当し得るとした自身の答弁について、「政府の従来の見解に沿ったもので取り消すつもりはない」と語った。立憲民主党の大串博志氏に答えた。
大串氏は歴代首相が明言を避けてきたとして、首相に撤回を促した。首相は「最悪のケースを想定して答弁した。実際に発生した事態の個別具体的な状況に即し総合的に判断する」と説明。「反省点として、特定のケースを想定したことを明言するのは慎もうと思う」と述べた。大串氏は政府の統一見解としてまとめるよう求めたが、首相は応じなかった。
自民派閥の裏金事件について、大串氏は事件に関係し、参院選での改選も経ていない佐藤啓官房副長官の起用を問題視。首相は「次の参院選まで全く活躍の機会がないことも困ったことだ。どうか起用に理解をいただきたい」と重ねて求めた。
首相は財政健全化の指標となる国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の単年度の黒字化目標見直しについて、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」策定に向けて、「(来年)1月段階で指示をする」と表明した。立民の馬淵澄夫代表代行への答弁。
同党の重徳和彦税調会長が食料品の消費税率ゼロに関し与野党協議を呼び掛けたのに対しては、「できるだけ幅広く各党と議論する方がいい」と前向きに答えた。
黄川田仁志沖縄・北方担当相は8日、北海道根室市の納沙布岬から北方領土を視察した際に「一番外国に近い」と語った。首相は「誤解を招きかねないものと感じ、電話で注意した」と明らかにした。立民の大築紅葉氏への答弁。