衆院予算委員会で、答弁する高市早苗首相=10日午後、国会内 高市早苗首相は10日の衆院予算委員会で、外国人観光客を念頭に「奈良のシカを蹴り上げるとんでもない人がいる」とした自民党総裁選での発言について、撤回を拒否した。同様の行為に及んだ「英語圏の方」に注意したことがあると明かした。立憲民主党の西村智奈美氏への答弁。
西村氏は「奈良公園のシカに明白にひどいことをしたのは日本人だ」として、2010年に妊娠中のシカがボーガン(洋弓銃)で殺害された事件などを紹介。「インターネットに流れる不確かな情報が、外国人への的外れな誹謗(ひぼう)中傷になっている」と問題視し、「放置すれば関東大震災の朝鮮人虐殺のようになる」として撤回を要求した。
これに対し、首相は「一定の根拠があって申し上げた。まだ総裁になっていない時点で、限られた時間内の発言だ。撤回するわけにはいかない」と拒否した。「外国人との秩序ある共生を実現しようと思い、内閣で検討に入っている」と訴えた。

衆院予算委員会で、質問する立憲民主党の西村智奈美氏=10日午前、国会内