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白菜が育ってくると葉が内側に巻いて球状になる「結球」。そのタイミングでやった方がいいことをプロが紹介する動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で6万2000回以上再生されています。
紹介してくれたのは、YouTubeチャンネル「楽農tech」。りょうさん、たかまささんの2人が「テクノロジーで“楽”に“楽しく”農業をする」をテーマに、野菜の育て方や土作りに関するコツを発信しています。以前には、レモンの実をつけやすくするための“秋の対策”を紹介して話題になりました。
今回はたかまささんが、結球が始まった白菜の管理の仕方や、必ずやってほしいこととその理由を説明してくれています。
白菜は結球し始めるころになると、それまでと成長の仕方が変わり、その成長に合わせて栄養分やその量を変える必要があるとのこと。
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まず水やりについては、基本的に土の中が一定以上濡れている状態をキープすることを目指します。難しく思えますが、土がそこまで乾いていなければ大丈夫とのこと。むしろ注意すべきは「水のやりすぎ」で、場合によっては白菜が腐ってしまったり、軟腐(なんぷ)病という病気が発症しやすくなったりすることがあるとのことで、「水のやりすぎだけはしないようにしましょう」と伝えています。
次にやってほしいことです。1つ目は追肥で、結球以前とは肥料の内容と量を変えます。これまで、窒素・リン酸・カリが各8%で配合された肥料「化成肥料8-8-8」をある程度与えていたところから、窒素を控えめにするといいそうです。理由は、窒素を与えると葉っぱがどんどん大きくなり、それによって葉が少しやらわかく弱くなってしまうため。結球が始まってからは固く締めていきたいので、重みを出すためにも窒素を減らすことをおすすめしています。
具体的には、「8-8-8」の化成肥料を15グラムと、窒素を含まないリンカリ肥料を10グラム、最後に硫酸カリを5グラムといった感じで分けることで、窒素だけを控えめにして他の成分の量を確保します。
追肥のやり方は、白菜の畝(うね)の中に直接与えるのが難しいため、すぐとなりの畝との間に与えるのをおすすめしています。畝間でも十分吸収されるとのこと。
加えて、追肥のあとに土寄せをすることで、より肥料が効くようになるとしています。もしマルチを張っている場合は無理にしなくても大丈夫とのこと。
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続いてやってほしいことが、カルシウムの施肥。カルシウムを与えることで細胞壁が強化され、白菜の球の締まりがよくなるほか、病気や虫に強いものができあがるそうです。
カルシウムを与える際の注意点として、苦土石灰などで与えてしまうと土のpHが変わってしまったり、溶けにくく吸収しにくかったりするため、できれば液体で販売されているカルシウム資材を使うようおすすめしています。こちらは吸収の良さも期待できるとしています。
また、必ずやってほしいこととして害虫の確認をあげています。当たり前のように感じますが、結球し始めたときは、その内部に害虫が閉じ込められることがあるのだといい、特に初期のタイミングで隅々までチェックすることが重要なのだそうです。もしイモムシなどが紛れ込んでしまってから結球が進むと「白菜を食べ放題の状態」になってしまうおそれも……。収穫のときにがっかりすることがないように気を付けましょう!
それと同じ理由で、「この立ち上がりの巻き込みが完全に終了する前にちゃんと農薬をかけてあげるようにしてください」と伝えています。
もう1つの必ずやるべきことは、葉が立ち上がり始めたら、外側についている葉のなかで枯れているものや、腐っているもの、虫食いがひどいものなどは取るようにすること。そのままだと通気性が悪くなり、そこから病気が発症することがかなり多いといいます。できるかぎり株元をすっきりさせることを意識するといいでしょう。
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また、植えた白菜と白菜の間などに生えている雑草について、できるだけ取り除いた方が通気性がよくなり、健康な白菜にするためにもいいと説明しています。
わかりやすく理由も含めて解説した同動画のコメント欄には、「もっと早くこの動画を見たかった!!」という声から、「ありがとう御座います、結球し無いときの対処法も一緒に教えて頂くとうれしいです」といった声が寄せられています。
YouTubeチャンネル「楽農tech」では、白菜の育て方のプレイリストが作成されており、そちらでは結球しない原因についての動画も公開されています。また、ちょうど今の時期につきやすいナメクジとカタツムリの対策を紹介した動画も公開しているので、気になる方はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
情報はYouTubeチャンネルの他にも、たかまささんのX(Twitter/@rakunoutech0323)、りょうさんのX(@RakunouTech1101)でそれぞれ発信中。千葉県で苗販売や観光農園を経営し、様々な農業機器のIoT化に取り組む「楽農tech」についてはホームページでも確認できます。
動画提供:YouTubeチャンネル「楽農tech」
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