
Q. 「公衆トイレのウォシュレットを使うのは危険」って本当?
Q. 「家のウォシュレットはよく使っているのですが、公衆トイレのウォシュレットは抵抗があります。衛生面が心配なのですが、病気の感染リスクなどはないのでしょうか?」A. 正しく使えば大きな危険はありません
一般的にウォシュレットと呼ばれることが多い「温水洗浄便座」ですが、公衆トイレであっても正しく使えば特に大きな危険はないとされています。感染症になるリスクが心配されがちですが、一般的な健康な人が普通に使用する限り、重大な感染につながるという報告はありません。ただし、下痢などで便に病原体が含まれている場合、洗浄時や排泄物を流す際の水しぶきによって、周囲に病原体が飛散する可能性はあります。これは温水洗浄便座かどうかに限らず、日常生活の中で避けることが難しいリスクの1つです。洗浄機能については、むしろトイレットペーパーだけで拭くよりも肛門周辺を清潔に保つことができるため、衛生面が気になる人にこそおすすめです。
温水洗浄便座の使用で注意が必要なのは、「使い過ぎのリスク」です。自宅か外かという設置場所は、あまり問題ではありません。トイレに行くたびに使用する人の中でも、水圧が強すぎたり、長時間洗浄したりする癖が付いている人は要注意。皮膚のバリアが壊れて、かゆみやただれなどの「温水洗浄便座症候群」と呼ばれる皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
安全に使用するためには、弱めの水圧で5〜10秒程度洗浄し、使用後はペーパーでしっかり水分を拭き取ることがポイントです。皮膚が弱い方や抵抗力が低い方は、使用を控えるなど、ご自身の体質や体調に合わせて活用するのがよいでしょう。
清益 功浩プロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。|
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