所得6億円超、課税30%に強化=「1億円の壁」是正、超富裕層対象―政府・与党

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2025年12月11日 08:01  時事通信社

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時事通信社

1万円札(AFP時事)
 年間所得1億円を境に所得税の負担率が下がる「1億円の壁」の是正に向け、政府・与党は10日、追加課税の対象となる総所得の基準を現行の30億円超から6億円超に引き下げることで調整に入った。対象者への適用税率も現行の22.5%から30%に引き上げる方向だ。2027年分の所得から適用する。

 超富裕層への課税を強化し、不公平な税負担率の解消を進めるのが狙い。26年度税制改正大綱に盛り込む方針だ。

 給与所得にかかる所得税は所得額に応じて段階的に税率が上がる仕組みで、住民税も合わせた最高税率は55%。一方、株式譲渡などの金融所得に対する税率は一律20%のため、株などの売却益を多く得た超富裕層は所得税の負担率が下がる。国税庁によると、所得税負担率は所得階層5000万〜1億円の25.9%がピークで、100億円超では16.2%に低下する。

 現行の制度は、総所得から特別控除額の3億3000万円を差し引いた額に22.5%の税率をかけ、出た額が通常の所得税額を上回る場合、その差額を徴収する仕組み。総所得の基準を30億円超から6億円超に下げると、現行で200〜300人とされる追加課税の対象者は2000人程度に広がる見通しだ。

 今回の見直しでは、特別控除額を1億6500万円に縮小した上で適用税率を30%に上げ、課税を一段と強化する。

 与野党6党は11月、ガソリン税などの暫定税率廃止で正式合意した際、年1.5兆円の税収減の穴埋めに、超富裕層の課税を強化する方針を文書に盛り込んでいた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 税の本質の一つに「所得の再分配」があり、累進課税は決して間違った考え方ではない。「名誉税」なんて言葉もあったよね(^^;
    • イイネ!12
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