
“疑惑の卒業証書”でおなじみ、学歴詐称スキャンダルで失職した田久保真紀前伊東市長が散った。14日投開票の静岡県伊東市長選は、国民民主党推薦の杉本憲也氏が13522票で初当選。これに対し、田久保氏は4131票で3位。再出馬は惨敗に終わった。
市民に猛アピールした田久保氏
「しかし、かなり厳しい状況での戦いだったにもかかわらず、4000を超える票を集めたのは興味深いです」
と語るのは全国紙政治部記者だ。
「そもそも市議会全会一致の不信任決議を受けて失職後おこなわれた市議選では、“田久保派”はわずか1人しか当選しないという超劣勢でした。しかも今回の市長選には過去最多となる9人が立候補し、前市長の小野達也氏も再出馬。さらに杉本氏には国民民主党の推薦という支援が付いていた。票は確実に分散するなか、田久保氏が数千票とるとは意外でした」
4000を超える票を集めた原動力は何だったのだろうか。
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「投票前夜の13日、田久保氏は自身のXでこう訴えていました。《マイナスからのスタートでした》と切り出すと、《組織なし、政党なし。あるのは市民との絆だけ》と孤立無援の戦いであることを強調。続けて《偏向報道や誹謗中傷に晒されながらも、歯を食いしばって戦い抜いた7日間。辛い思いをした人間だからこそ、誰よりも優しい政治ができる》と、自分だからこそできる市政を猛アピール。そして《伝説の逆転劇を、あなたの一票で》と、市民の良心に訴えかけたのです」(前出・政治部記者、以下同)
この根底に流れるのは、バッシングに遭って苦境に立たされているという“被害者意識”なのだろう。(※この投稿は現在削除)
意外な健闘ぶりにSNS上では《田久保さん、市議なら当選するんじゃないの》《4000人以上いたことが恐ろしい》と熱烈な支持者がいることへの戸惑いも見られた。
候補者数も投票率も異なるため単純な比較はできないが、直近の市議選でのトップ当選者の得票数は3611票。トップでさえ4000票に満たないのは確かなのだ。
さらに今回大きな話題を集めているのが敗北後の対応だ。田久保氏は選挙結果が判明次第、報道陣の取材に応じることになっていたため、開票前から報道陣40人が指定の場所に詰めかけていたという。ところが結局本人は姿を見せず、記者たちは約6時間後の15日午前1時に陣営から「取材には応じられない」と告げられたというのだ。
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「テレビ静岡のサイトによると、陣営関係者は『(田久保氏は)きょうは行きたくない』と話していたと報じられています。敗戦の弁であっても取材に応じるのは、支援者に対する誠意だとは思うのですが……」
すると田久保氏は15日朝に自身のXで《テレビ静岡に私が『今日は行きたくない』というコメントをしたかのような報道が出ましたが、そのようなコメントはしておりません》と否定したうえで、取材を断った理由について《深夜に渡って大勢の報道が自宅付近に詰めかけた為》と反論した。
敗北後も変わらず報道機関と対立している田久保氏。4131票の有権者はこのバトルをどう見ているのだろうか――。
