
「日本は核保有すべき」。官邸幹部が非公式の取材で語った発言が、波紋を広げています。自民党内や野党から批判が相次いだほか、広島・長崎の被爆地からは「許せない」といった声が上がりました。
官邸幹部「核を持つべき」発言 一方、官房長官「非核三原則を堅持」を協調衝撃の発言が出た場所は政府中枢の官邸、非公式の取材の場でした。
官邸幹部
「核を持つべきだと思います。頼れるのは自分たちしかいないから」
12月18日にこう語ったのは、高市総理に安全保障政策などを助言する官邸幹部。「個人的見解」としつつ、「日本は核保有すべきだ」との考えを示したのです。
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この発言について、木原稔官房長官は「コメントは差し控える」としたうえで、「政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持しているということは申し上げておきます」と、政府の見解は変わらないと強調しました。
唯一の被爆国である日本は、「核兵器のない世界」を訴えてきました。
佐藤栄作 総理(1968年当時)
「核兵器は、あの苦い経験から再び持たない、持ち込みもしない、製造はもちろんしない」
1967年に佐藤栄作総理が表明した「非核三原則」。歴代政権は「国是」として守ってきました。
高市早苗氏(2024年)
「『持ち込ませず』という部分については、どう考えるのか。これはしっかりと議論しなきゃいけないと考えております」
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高市総理自身は「非核三原則」のうち「持ち込ませず」については見直しを持論とするものの、「持たず」「作らず」の原則は維持すべきだとしています。
「驚きと怒り」「非常にけしからん」与野党から批判の声「核保有」にまで踏み込んだ官邸幹部の発言に野党は…
公明党 斉藤鉄夫 代表(12月19日午前11時半すぎ)
「被爆80年の節目の年に、このような発言が出たことに対して、驚きと怒りを感じております。罷免に値する重大な発言」
立憲民主党 野田佳彦 代表(12月19日午後2時ごろ)
「常に総理と接して安保政策の提言をする方が、こういう方が側にいては私は良くないというふうに思います。(高市総理に)厳しく対応してほしい」
自民党の防衛大臣経験者からも「オフレコ(非公式)とはいえ、立場を考えていない非常にけしからん発言だ。外交に影響を及ぼすことを危惧している」との声が。
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その外交では、対日批判を強める中国が「国際社会は重大な懸念を示さなければならない」と非難しました。
「私は許せない」「軽々しく言ってもらいたくない」被爆地からも反発の声被爆地の広島と長崎からは反発の声が上がっています。
広島県被団協 佐久間邦彦 理事長
「本気でそういう考え方が政府の中にあるのではないかというふうに疑います。政府のそういう筋から出たことについては、私は許せない」
長崎原爆被災者協議会 田中重光 会長
「広島・長崎がどうなったのかということを、人間がどのように苦しんで死んでいったか。(核保有について)軽々しく言ってもらいたくない」
政権内からは、今後の外交や安全保障政策への悪影響を懸念する声が上がっていて、高市総理の任命責任も問われそうです。

