直径13センチ、700キロカロリー超も! 巨大クッキー専門店じわり拡大のワケ

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2026年01月10日 08:30  ITmedia ビジネスオンライン

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セブンの「焼き立てクッキー」が追い風に?

 米国で定番スイーツとして国民に親しまれている「クッキー」。ビッグサイズやねっとりした食感、ゴロゴロとした具材などの特徴があり、現地には行列ができるような専門店もある。近年、日本でもアメリカンクッキーの専門店が少しずつ広がっている。


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 直径約13センチの大判サイズがウリの「GUILTY’S(ギルティーズ)」は、2023年6月に東京・江東区に1号店を開業し、全国に49店舗まで拡大(他ブランドとの混合ショップとして展開。1月7日現在、以下同)。クッキーの累計販売枚数は、80万枚を超えている。


 2025年に誕生した新ブランド「PUG(パグ)」は、同年4月に1号店の「グランツリー武蔵小杉店」を開業し、全国5店舗に増えている(期間限定店舗を含む)。


 ヴィーガンクッキーの専門店「ovgo Baker(オブゴベイカー)」は、2021年6月に初の常設店を日本橋小伝馬町に開業し、都内に4店舗を設けている。


 コンビニ各社も、このトレンドを積極的に取り入れている。セブン-イレブンでは、レジ横のセブンカフェベーカリーで「お店で焼いたクッキー」シリーズを2024年から展開。ナチュラルローソンでも、店内で焼き上げるクッキーを2025年9月から販売。ファミリーマートでは、焼き立てではないものの、大きめサイズのスイーツシリーズで「大きいクッキー」を2025年12月から扱っている。


 なぜ、アメリカンクッキーの注目度が高まっているのか。オブゴベイカーを運営するオブゴ社(東京都千代田区)の高木里沙社長(※「高」は「はしごだか」)への取材、および各社の戦略からその理由を探った。


●大きくて具材がユニーク


 アメリカンクッキーは、日本で販売されている一般的なクッキーよりもかなり大きい。1枚で満足感を得られるサイズで販売する専門店が多く、直径13センチのギルティーズのクッキーは、1枚700キロカロリーを超える。


 英語で「チューイー(chewy)」と表現される、ねっとりした食感やたっぷり入ったゴロゴロの具材も特徴だ。本場米国では、そうしたクッキーが一般的に流通しており、人気を得ていると高木氏は言う。


 「現地の人々にとって、クッキーは日常に溶け込んでいるスイーツです。毎日のように食べるので、消費量が非常に多い。1枚のサイズは大きく、具材はチョコレートなどの定番が好まれます。焼き上がった製品だけでなく、焼く前の生地も販売されていますね」


 ギルティーズでは、ビスケットやマシュマロ、焼きりんごなどを具材に使い、さまざまな味や食感を楽しめるようにしている。厚切りベーコンやブラックペッパーを使った甘じょっぱいクッキーもある。1枚500円からなので、クッキーにしては高価だが、大きさを考えれば妥当なのかもしれない。


 ヴィーガンクッキー専門のオブゴベイカーも、定番から変わり種まで数十種類をそろえる。「ソルティチョコミント」「レモンペッパーオートミール」「いちご大福」など、他店ではあまり見かけないものばかり。価格は1枚500円前後で、カロリーは他社の半分ほどに抑えられている。


 「クッキーを通じて新たな食の楽しみを提供したいと考え、既成概念にとらわれない多様なフレーバーを開発しています。日本ならではの食材を使用することも多く、過去には『きなこ』や『わさび』を使った製品もありました。ヴィーガン食品はおいしくないという印象を持つ方もいると思いますが、甘さをしっかり出すなどして、おいしさを追求しています」


●セブンの「焼き立てクッキー」が追い風に


 アメリカンクッキー専門店は、ここ1〜2年で店舗数を増やし、若年女性を中心に人気が高まっている。このトレンドの追い風になっているのがコンビニでの販売拡大かもしれない。高木氏は「特にセブンさんの焼き立てクッキーは、インパクトが大きいのではないか」と話す。


 「店舗数が多く発信力の高いセブンさんでの販売を通して、アメリカンクッキーの人気や知名度が一段と高まったと感じています。温かい状態で提供されるクッキーを牛乳に浸して食べるとおいしいという投稿がSNSで広く拡散され、『クッキーにこんな食べ方があるんだ』と知った方も多かったかもしれません」


 セブンでは、まず「チョコクッキー」(200円)を販売したところ、SNSで数万件の「いいね」が付くなど、一気に人気を獲得。その後、「紅茶クッキー」(240円、現在は終売)、「抹茶クッキー」(250円)、「ブラッククッキー」(260円)とバリエーションを増やし、同時に導入店舗数も拡大する。期間限定や一部店舗でしか買えない種類もあり、その希少性も相まって人気が継続しているようだ。


 同製品は、購入時に店内のオーブンでリベイクして、熱々の状態で提供する。実際に食べてみると、外側はサクッと香ばしく、中身はしっとり。袋詰めで売られているクッキーとは明らかに異なり、あえて“焼き立て”で提供している理由が理解できた。1枚約500キロカロリーでボリュームも十分だ。


 また、新たな取り組みとして、2025年10月からギルティーズのクッキー(2種類、各321円)を全国のセブンで扱い始めた。


 同社の2025年度 第2四半期(中間期)の決算説明資料では、レジ横のホットフードの売り上げが3.9%増と好調だったことが示された。セブンカフェベーカリーの導入店は、2026年度に約1万店舗に拡大する見込みだ。


●新しい「食べ方」の提案も


 アメリカンクッキーが流行している背景には、新しい「食べ方」の提案により、クッキーの魅力が増している側面もある。


 吉祥寺PARCOやららぽーと愛知東郷など商業施設内に5店舗を展開するパグでは、温かいクッキーとアイスクリームのセットを豊富に販売し、クッキーが温かいうちに小さく割って、アイスと混ぜて食べる方法を推奨している。また、カフェラテなどの飲み物にクッキーをディップして食べる写真も、Instagramなどに投稿している。


 オブゴベイカーでも、イートインの顧客にはクッキーを温めて、アイスを添えて出すなどしているという。クッキーとアイスの相性の良さに加え、クッキー単体よりも写真映えするため、女性客に好評なのではないかと高木氏は話した。


 「スイーツ同士の組み合わせだけでなく、例えば、ガーリックやブラックペッパーを使った当社製品はお酒にもよく合います。従来のスイーツの枠を超えて、さまざまなシーンで食べていただきたいと考えています」


●韓国では「進化系クッキー」が流行


 ちなみに、韓国では日本より一足早く、2020年ごろからアメリカンクッキーブームが到来した。そのトレンドは今、独自の進化を遂げている。


 2024年には、クロワッサンとクッキーをかけ合わせたフランス・パリ発祥の「クロッキー」が流行し、パン屋の人気メニューに。最近では、厚みのあるクッキーの中に「ドバイチョコ」を詰めた「ドバイチューイークッキー」が、若年層を中心に人気を集めている。


 ドバイチョコとは、ピスタチオクリームとカダイフ(またはカダユフ。小麦粉やトウモロコシ粉でできた極細麺)をフィリングしたチョコレートだ。2023年末ごろにドバイのインフルエンサーが投稿したことをきっかけに、世界中でトレンドになった。


 日本でも、ギルティーズを運営するオールハーツ・カンパニーや成城石井が期間限定でクロッキーを発売したが、大きなトレンドには至っていないようだ。


 今後、クッキー人気がどこまで拡大するかは未知数だが、オブゴベイカーでは、都内での店舗展開を積極的に進め、10店舗ほどまで増やす考えだという。海外進出も視野に入れており、「特に北米やアジアでの展開を見込んでいる」と高木氏は意欲を見せた。


(小林香織、フリーランスライター)



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  • 私は小さいのを何種類か食べたい派。大きいと飽きる。
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