警察学校の髪形規制緩和で、例示されたヘアスタイル(長崎県警のインスタグラムから) 若者の人口減少や志向の変化による深刻な採用難を受け、警察庁は将来の警察官確保に向けた緊急対策プランをまとめた。警察学校でのスマートフォン使用と髪形の制限緩和や、採用試験の方式、日程の見直しなどを打ち出し、全国の警察に検討を進めるよう通達を出した。年内にもより具体的な施策を示す。
2024年度の採用試験受験者は全国計4万3000人で倍率は3.5倍。15年度の9万3000人(6.1倍)、10年度の13万7000人(9.5倍)から大きく落ち込んだ。同庁幹部は「人口減を上回る減り幅。定年退職者も年々増え、対策は不可避だ」と話す。
プラン作成に当たり、全国の若手職員や採用担当者に行った意識調査では、4割が「厳しそう」など警察学校への不安や懸念があったと回答。「公務員試験対策が大変」といった受験への不満も4分の1に上った。
これを受け、プランでは警察学校でのスマホの使用や髪形、外出・外泊などのルールを速やかに見直すと明記。教育内容や居住環境の向上のため、都道府県警の枠を超えて合同授業や施設の集約を進めるほか、入校から卒業までの期間短縮も検討するとした。
緊急時対応のため住所を警察署管内などに限る居住地制限については、負担感が強いことや通信技術の発達も踏まえ、対象となる職員数や範囲を再検討するとした。官舎の改善や転居時の負担軽減にも取り組む。
採用試験には適性検査など民間企業と共通する方式を導入。就職活動の早期化で試験前に民間の内定が出ていることから、日程を前倒ししたり、複数回実施したりする。社会人採用も強化し、実績や経験に応じて、通常の巡査より高い階級で採用することも検討する。