緊急避妊薬、中高生になお高い壁=心理、価格両面で負担大きく―10代女性「お年玉で…」・市販開始から3カ月

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2026年05月02日 07:31  時事通信社

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時事通信社

緊急避妊薬「ノルレボ」(第一三共ヘルスケア提供)
 避妊の失敗や性被害などによる予期せぬ妊娠を防ぐため、有効な手段とされる緊急避妊薬(アフターピル)の市販開始から3カ月が経過した。入手環境は改善されたが、中高生ら若い女性の心理的、金銭的負担は大きく、誰もが必要な時にすぐに手にできるにはなお高いハードルがある。

 緊急避妊薬は、性交後、早期服用すれば高い確率で妊娠を防ぐことができる。厚生労働省の承認を受けて2月2日、国内で初めて「ノルレボ」(販売元、第一三共ヘルスケア)が、薬局などで購入できるようになった。年齢制限はなく、保護者の同意も不要だ。

 ただ、薬剤師の説明を受け、面前で服用する必要がある。プライバシー確保のために十分な場所がない店舗もあり、他人に性交の事実を知られたくない中高生の心理的ハードルが高いと指摘される。性教育普及に取り組むNPO法人「ピルコン」が1〜2月、15〜24歳の約1400人に実施したアンケートでは、緊急避妊薬を「入手しやすい」と答えたのは1・3%にとどまった。

 「今ならお年玉があるから買える」。首都圏などで妊娠相談を受けるNPO法人「ピッコラーレ」には年明け、女子高校生から安堵(あんど)の声が寄せられた。市販の緊急避妊薬は1錠約7000〜約7500円。収入のない未成年の金銭的負担は重く、服用を諦めるケースもあるという。

 中高生が妊娠を周囲に相談できないまま出産し、乳児を遺棄する事件も後を絶たない。埼玉県行田市では3月、自宅敷地内に出産直後の男児の遺体を埋めたとして、女子中学生(15)が死体遺棄容疑で逮捕された。「一人で産んだ。隠しておけないと思った」と当時供述したといい、県警は精神的に追い詰められた末の事件とみて捜査している。

 ピッコラーレによると、相談を受けた中学生の中で緊急避妊薬の存在や正しい使い方を知っている生徒はごく一部にとどまる。土屋麻由美副代表は「しっかりと性教育をして子どもたちを守らないといけない」と話す。

 海外ではより低いハードルで入手できる国が多く、ピルコンの染矢明日香理事長も「緊急避妊薬は人生や健康を守る大切な選択肢」だと強調。費用を公費で一部補助するなどし「必要な時に、誰でも入手できる環境を整えるべきだ」と話した。 

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  • 趣旨は理解したが、このような薬を中高生が気軽に利用できるような世の中にはなってほしくない。(それ以前の対策が本務だと思う)
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