
米中首脳会談では農業分野も議題となりますが、中国側が持つ交渉カードの1つが「大豆」です。トランプ大統領は中国にアメリカ産大豆の輸入を拡大するよう求めていますが、なぜそれほど重要なのでしょうか。
アメリカ中西部・アイオワ州。大豆やトウモロコシなどの栽培が盛んで、アメリカ有数の農業地帯として知られています。
記者
「アメリカでは今ちょうど大豆の種まきシーズンで、この畑でもまさに今その作業が行われています」
900エーカー、東京ドーム80個分ほどの広大な畑で大豆栽培を行っているグッドヒューさん。父親から受け継いだ農場が大好きで、この時期は毎日15時間ほど働いているそうですが、「農業はギャンブル」だと感じることもあるそうです。
大豆農家 グッドヒューさん
「毎日のように発生する“困難”に対処しなければいけない。自分でコントロールできること、できないことがあります」
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「コントロールできないこと」とは天候や作物の病気・マーケットの動向など様々ですが、今、一番影響が大きいのは「政治」かもしれません。
アメリカ トランプ大統領
「フェンタニルをメキシコやカナダに送っている事実に基づき、中国に10%の関税を課す検討をしている」
トランプ政権は去年、合成麻薬フェンタニル対策や国内産業の保護を名目に、中国に対する関税を最大で145%まで引き上げました。
これに対抗し中国は農産品に報復関税をかけ、アメリカ産大豆の輸入を5か月間ストップ。ブラジル産などに切り替えたのです。
一方、トランプ大統領は中国に輸出していた分を国内で売れば問題はないと主張しました。
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アメリカ トランプ大統領(SNS)
「偉大なるアメリカ農家の皆さん。国内販売用の農産物を増産する準備をしてください。楽しんで!」
しかし、現実にはアメリカ国内に中国への輸出分をまかなえるほどの需要はなく、大豆価格は急落。中国輸出は部分的に再開したものの、農家の苦境は続いています。
大豆農家 グッドヒューさん
「我々の大豆の半分は中国に輸出しています。中国市場の代わりを見つけることはできません」
トランプ氏にとって「農家」は重要な支持基盤でもあります。特に大豆の生産が多い、ここアイオワ州などは選挙全体の行方を左右するエリアの1つで、農業団体は大きな政治力を持っています。
米中首脳会談に向け、今、大豆協会は▼輸出量を関税問題以前に戻すこと、▼中国の報復関税を撤廃することなどを強く求めています。
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アイオワ大豆協会 キンバリー氏
「トランプ氏は農家に敬意を抱き、愛着と感謝の心を持っています。彼は中国が約束を果たすよう懸命に取り組むでしょう」
11月に迫る中間選挙に向け、農家の意向を無視できないトランプ氏。「中国は大豆の輸入を拡大するだろう」とアピールしていますが、その代償として中国側に台湾問題などで譲歩を迫られる可能性も指摘されています。
