
7月10日、衆議院本会議で皇室典範改正案が可決。高市早苗首相は、満面の笑みを浮かべながら拍手をしていた。皇室担当記者はこう語る。
「採決では、与党のほかに国民民主党、参政党なども賛成に回りましたが、共産党は反対し、中道改革連合の一部の議員も採決前に退席しています。そもそも皇室の制度に関わる問題は、全会一致で進めるべきとされてきました」
’17年の上皇さまのご退位を可能にした皇室典範特例法の際は、衆参両院でほぼ全会一致で可決されている。
「しかし今回は船田元・元経済企画庁長官が政府の皇室典範改正案に関して、『国会の総意を逸脱したと言わざるを得ない』と発信して苦言を呈するなど、自民党内からも疑問の声が上がっています。
オランダ・ベルギーご訪問前の記者会見で、天皇陛下は『皇族数の確保の在り方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります』と、述べられました。しかし旧宮家の男系男子を養子縁組する案については、懐疑的な意見も非常に多く、“国民の理解を得られた”とは言い難い状況です。
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15日に参院特別委員会で審議入り、同日中に採決に進む予定で、皇室典範の改正は7月17日までの国会会期中に実現する公算です。高市政権が数の力で強引に推し進めている状況を、天皇陛下をはじめとした皇室の方々も憂慮されているに違いありません」(前出・皇室担当記者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも、高市政権の強引な手法を疑問視しているという。
「当初、国会の議論は、皇族数の確保が目的で、皇位継承のあり方には踏み込まないという合意がありました。それにもかかわらず、皇族となった養子に男子が生まれた際には皇位継承権を認めるといった解釈も浮上し、高市首相自身も『(養子の子が男性なら)天皇になりうる可能性がある』と発言しています。
政府・与党の本音は男系男子による皇統の固持にほかならず、女性・女系天皇の出現を断固として認めないという信念を実現させようとしているのです」
■家族のあり方なども強引に決められて…
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衆院本会議に先立って開催された衆院議院運営委員会では、政府側は、女性皇族と結婚した配偶者とその子について「共に家族として御用地に居住することは可能」という見解を示した。しかし政府は配偶者とその子については「皇宮警察による護衛の対象とはならない」との考えも示している。
ただ、“その時々に応じて必要な措置を講じる”という見解も示し、非常にあいまいな形のまま制度設計がなされようとしているのだ。前出の小田部さんは、
「両陛下をはじめ皇室の方々は、ご家族や将来のあり方について、ご自身のお考えを考慮されないまま、政府・与党によって強引に決められていくことに、深い悲しみを感じていらっしゃるのではないでしょうか……」
かねて政府は“今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない”という方針を示してきた。その流れに乗るかのように“次の天皇家”として存在感を示してきた皇嗣家。
だが実は秋篠宮さまも紀子さまも、高市政権の姿勢に不信感を抱かれているという。秋篠宮ご夫妻の知人はこう語る。
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「1つ目の理由は、男性皇族と女性皇族で身分差が生まれてしまうことへの懸念です。改正案には女性皇族が結婚する際に、一般国民と同じように住民基本台帳に登録するという内容が付け加えられました。
この点については“愛子さまや佳子さまをはじめ女性皇族を二級皇族扱いするのか”といった批判の声も高まっています。
秋篠宮さまは皇嗣家の職員の呼び方を、従来の『侍従』『女官』といった性別で固定された官名を取りやめ、男女問わず『宮務官』としました。佳子さまも公の場で“ジェンダー平等”を提唱されてきましたが、秋篠宮さまも強く重視されているのです」
2つ目の理由は、“悠仁さまの軽視”だという。
「そもそも高市政権が優先して進めている養子案について秋篠宮ご夫妻は、“悠仁さまは結婚できないのではないか”“結婚できても男の子は生まれないのではないか”ということが前提とされている印象を受けられているようです。
紀子さまも帝王切開で悠仁さまを出産され、ご夫妻でその教育に尽力されてきました。
それにもかかわらず“悠仁さままではゆるがせにしない”としつつも、一般人として暮らしてきた養子やその子供に強い期待を抱いているように見える政府の姿勢は、ご夫妻にとって面白いはずはありません」(前出・知人)
■外国公式訪問前に記者会見に臨まれる慣例が
平成の御代には、上皇さまと天皇陛下、秋篠宮さまが定期的に集まって語り合われる“頂上会議”が行われていた。
「令和になってお三方で集まられることはなくなりましたが、天皇陛下と秋篠宮さまがお電話で話し合われることがあるそうです。
ご遠慮もあるので、秋篠宮さまから陛下にお電話することはないそうですが、もともと仲がよいご兄弟ですので、腹蔵なくお話しになっていると思います」(前出・知人)
皇室の転換期が迫るいま、天皇陛下と秋篠宮さまが協議されていることとは。ある宮内庁関係者によれば、
「いま宮内庁内で期待が集まっているのは秋篠宮さまのご発言です。陛下や秋篠宮さまが自らのお考えを示される場は限られています。しかし秋篠宮ご夫妻は8月中旬にパラグアイを公式訪問される予定で、慣例では7月末以降に記者会見に臨まれます。その場で、高市政権に苦言を呈するようなおことばを述べられるのではないかといわれているのです」
前出の秋篠宮ご夫妻の知人もこう話す。
「皇室の方々は“政治的な発言”を控えられています。しかし秋篠宮さまは’24年11月の会見で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案についてこう述べられています。
『該当する皇族は生身の人間なわけで、その人たちがそれによってどういう状況になるのか、そのことについて私は、少なくとも、そういう人たちを生活や仕事の面でサポートする宮内庁の然しかるべき人たちは、その人たちがどういう考えを持っているかということを理解して、若しくは知っておく必要があるのではないかと思っております』
これは“皇族は生身の人間”発言として、大きな注目を集めました。今回は“女性皇族の未来の生活を理解したうえでの改正なのか”といったことをあらためて発信されるのではないでしょうか。
また陛下の『国民の皆さんの理解を得られるものを』といったおことばから一歩踏み込んで、“国会の議論は、国民の声を反映したものなのでしょうか”と、疑問を呈される可能性もあります。この皇室の一大事に、どのような発言をするべきか、秋篠宮さまは陛下と慎重に検討されていることでしょう」
兄弟共闘によってなされる秋篠宮さまのご発言は、いわば陛下のおことばをも無視し続ける高市政権への“逆襲策”ともいえるものだ。
「陛下にとっても“国民の理解”を求めたにもかかわらず、議員定数削減法案の撤回などを政治的な駆け引きに使い、議論もおざなりにして猪突猛進する高市政権の手法は、看過できるものではないと思います。
陛下が、愛子さまを将来の天皇にと考えていらっしゃるかについてはわかりません。ただ国民から女性・女系天皇を望む声が高まっている以上、“その声を受け止めて、きちんと議論すべき”と判断されていると思います。
皇室典範改正案には“安定的な皇位継承策を引き続き検討する”などとした付帯決議が盛り込まれています。陛下と秋篠宮さまのご共闘により、国民的な議論が活発になることで、“愛子天皇への灯”が燃え上がる可能性も残されています」(前出・宮内庁関係者)
陛下と秋篠宮さまが練られている“ご発言”は、皇室を取り巻く暗雲を払うことができるのか。
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