2026年F1第11戦ハンガリーGP FIA会見 エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン チーム代表兼マネージング・テクニカル・パートナー) 2026年F1第11戦ハンガリーGPでは、アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ(チーム代表兼マネージング・テクニカル・パートナー)が今年の開幕戦オーストラリアGP以来久しぶりにメディアの前に現れ、国際自動車連盟(FIA)の記者会見に出席しメディアの取材に応じた。
FIAが記者会見にニューウェイを招いたのは、アストンマーティンがBスペックマシンとも言えるほど大規模なアップデートをハンガリーGPに投入したからだ。まずニューウェイはアップデートされたマシンについて、こう語った。
「シャシーもレイアウトもフロントサスペンションも同じであるという点で、これは進化形と言える。つまり、主に空力面での進化だ。2月のバルセロナで発表された新車は、開発時間が非常に不足していた。だから、一歩引いて状況を把握し、このパッケージを前に進めていくことに注力した」
その新車のコース上でのパフォーマンスについて、ニューウェイはこう続けた。
「まだ1セッションしか見ていないが、暫定的な結果は有望だ。ただ、今回のアップデートはパッケージの一部に過ぎない。ザントフォールトでさらに改良を加え、モンツァやバクーでもさらに進化させる予定だ。つまり、ハンガリーGPは計画されているアップグレードの第一段階。パーツの数が非常に限られているため、慎重に扱いながら、そのすべてを把握しようと努めている」
ところが、会見前に行われたフリー走行1回目でランス・ストロールのリヤサスペンションに問題が発生した。今回のアップデートはマシンの軽量化が目的だったという説もあり、リヤサスペンションの信頼・耐久性に影響を与えたのではないかと言う者もいる。ニューウェイはこう語った。
「原因が特定されるまではコメントは控えたいが、問題が発生した箇所(リヤサスペンション)については、実際には変更は加えられていない。クラッディング(アームを覆う被覆材)などが異なるため、その部分に若干の変更が加えられただけだった」
アップデートされたのは、マシンだけではないとニューウェイは言う。
「本当に前進したのは、『(ホンダとの)関係』だと思う。まさに『惨憺たるスタート』としか言いようのない状況だったが、常にポジティブな面を探そうとするなかで、そこから得られたいい点は、ホンダと私たちアストンマーティンの間に非常に緊密な協力関係が築かれたことだ。我々はあらゆる分野でその関係をさらに深め続けている。関係性の観点から言えば、現在の進捗には非常に満足している。そして、通常、関係性が改善されれば、パフォーマンスも向上するものだ」
会見ではニューウェイに、アストンマーティン入りが噂されているクリスチャン・ホーナーに関する質問も飛んだ。ニューウェイはレッドブル時代にホーナーととともに仕事した仲だが、当時はホーナーがチーム全体をまとめる代表で、ニューウェイは技術部門をまとめるチーフテクニカルオフィサーだった。現在、アストンマーティンはニューウェイが技術部門をまとめるマネージング・テクニカル・パートナーであり、チームを束ねる代表も兼任しているため、いまのままではホーナーの居場所はない。ニューウェイもこう言う。
「クリスチャンに関するこうした噂は度々耳にする。だから、これ以上のコメントは控えたい。正直、その件については何も知らない。私が言えるのは、現在の経営陣に非常に満足しているということ。多少の微調整を行う可能性はあるが、アストンマーティンに在籍するスタッフについては、非常に満足している」
ニューウェイの言葉を信じれば、ホーナーのアストンマーティン入りは単なる噂なのかもしれない。しかし、シーズン序盤に招いた成績不振やパートナーであるホンダとの関係性について、アストンマーティンの経営陣が満足していないとすれば、ニューウェイには再びマネージング・テクニカル・パートナー職に専念してもらい、ホンダとの関係やチームのまとめ役としてホーナーを招聘することをニューウェイ抜きで経営陣が話を進めていても不思議はない。
ハンガリーGPの会見でニューウェイと同席したのは、メルセデスのシモーネ・レスタ(副テクニカルディレクター)とレッドブルのピエール・ワシェ(テクニカルディレクター)という技術者だった。これは、単なる偶然なのか。それとも、アストンマーティンのチーム体制変更の前触れなのか。夏休み明けに投入されるアップデートだけでなく、アストンマーティンの動向にも注目したい。
[オートスポーツweb 2026年07月31日]