避難所となっている熊本県氷川町の氷川中学校で、避難者と言葉を交わす高市早苗首相(左)=3日午後、同町(代表撮影) 政府は、熊本県で最大震度7を観測した地震の発生直後から、被災地の要請を待たず物資を送る「プッシュ型支援」を開始した。猛暑による熱中症などの危険が高まる中、給水支援、シャワー設備の支給など矢継ぎ早に対策を講じ、二次災害の抑制に全力を挙げる。
「政府一丸となって被災者の生活となりわいの再建支援に全力で取り組む」。高市早苗首相は3日、視察で訪れた熊本市で記者団にこう強調した。
被災地では発災以来、最高気温が35度を超える猛暑日が続き、「二重の災害」(木原稔官房長官)の様相を呈している。車中泊していた被災者が熱中症の疑いで死亡する事案も発生した。首相は「大変重く受け止めている」と発言。政府は初動の救命・救助から、「災害関連死」の抑制に軸足を移し、避難環境の整備を急ぐ。
自衛隊は発災翌日の7月29日朝から給水支援を開始し、クーラー約300台を現地に輸送。政府はこのほか、移動式電源車や仮設シャワーなどもプッシュ型で配備した。
首相は、車中泊の被災者へのガソリン供給に万全を期すよう指示。木原氏は3日の記者会見で「通常時の最大4倍の燃料供給力を確保している」と強調した。
政府は対応のスピード感を重視しており、首相周辺は「支援は全て先回りでやっている」と胸を張る。ただ、プッシュ型で送った物資が被災者に行き届かない状況も報告されており、政府は現地対策本部を中心に目詰まりの解消を図る構えだ。
一方、首相官邸の動きについては「前のめり」(官邸筋)との指摘も出ている。政府は自然災害時、警察情報を基に死者数を公表するが、木原氏は同29日の記者会見で消防情報が混在した数字を発表。内容に食い違いが生じ、若田英危機管理審議官は「一貫性を欠いた数字を提供して混乱を招いた」と謝罪した。

避難所となっている熊本県氷川町の氷川中学校に到着した高市早苗首相=3日午後、同町(代表撮影)