ビジホすら今や「1泊1万5000円超え」が当たり前に。旅行者の選択肢として存在感を増す「個室ネカフェ」や「コンビニ車中泊」

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2026年08月17日 09:21  日刊SPA!

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日刊SPA!

「鍵付完全個室」を増やす快活CLUB
宿泊を取り巻くビジネスが、大きく変わろうとしています。
インバウンド需要によって観光地のホテルの客室単価が上がる一方で、消費者は物価高による節約志向を高め、自身が価値あると認めるものに出費を惜しまないメリハリ消費傾向が強まりました。

宿泊費を安く抑えるビジネスが広がりを見せています。

◆ホテル代の高騰が止まらない

星のやブランドの2025年度における平均客室単価は8万4174円。2019年度は7万4696円でした。1万円近く上がっています。

リゾナーレは2025年度が6万7605円、2019年度は4万4107円であり、こちらは2万3000円以上も高くなりました。リゾナーレはかつて、子供づれの家族が訪れやすい手軽な宿泊施設というイメージがありましたが、今やハイクラスのホテルにも引けを取らない水準まで上がっています。

大衆的な観光ホテルの定番ブランドである大江戸温泉施設も2025年度の平均単価は3万9000円を超えています。2019年は2万9000円台でした。観光ホテルも気軽に泊まれる場所ではなくなりつつあるのです。

小人数や一人の旅行に最適なビジネスホテルも高騰気味。ホテル特化型メディア「ホテルバンク」の調査によると、2026年4月のビジネスホテルの平均客室単価は1万5000円で、前年同月比で3.8%の増加。2017年から2019年にかけては1万0800円から1万1800円のレンジで安定的に推移していたといいます。

さらに夏のハイシーズンは特にホテル代が高くなります。物価高も重なって、極力ホテル代を抑えたいという消費者心理が高まっているのです。

◆旅の拠点になりつつあるネットカフェ

AOKIホールディングスが運営するインターネットカフェ「快活CLUB」は、「鍵付完全個室店舗」の出店に注力中。2025年度は新規で26店舗(前期は14店舗)出店しました。

完全個室は1人から4人程度まで利用可能。最も利用しやすい「レギュラールーム フラット」は、床一面にマットが敷かれており、寝転がって過ごすことができます。室内ではテレビやアニメ、映画を思う存分楽しめる仕様。コンビニやスーパーで購入した弁当や総菜、飲み物を持ち込むことが可能で、途中外出ができるために自由度の高い時間が過ごせます。

新宿にある店舗の「鍵付完全個室」の料金は平日12時間で5000円台。北海道の「旭川大町店」は平日12時間が3300円です。ビジネスホテルよりも格安料金で利用することができます。

「快活CLUB」は、オートバイ好きのライダーからツーリングの拠点として親しまれており、「実家」と呼ぶ人も少なくありません。長距離ツーリングの場合は宿泊施設の滞在時間が短いことも多く、ビジネスホテルのサービスが過剰気味になることもあります。突然の天候の変化で緊急避難的に「快活CLUB」を使うケースもあり、旅費を抑えて快適に過ごせる場所として知られてきました。

「鍵付完全個室店舗」の出店が広がっていることから、国内旅行者の気軽な宿泊場所としての認知度が広がっていると言えるでしょう。

◆「コンビニ車中泊」が根強い人気

車中泊サービスの拡大に動いているのがローソン。2025年7月にコンビニで初めて車中泊施設「RVパーク」実証実験を千葉県で開始しました。2026年7月には埼玉県、静岡県、愛知県にエリアを拡大。サービスの取扱店舗数は28店舗になりました。

千葉で開始した7店舗の実証実験では、お盆や年末、ゴールデンウィークの稼動率が9割を超えるなど、利用状況は好調でした。利用者の8割が夫婦など大人2人での利用が多く、「食材の買い物ができる」「24時間営業の店舗があり安心できる」「利用料金が手ごろである」など高い評価が得られました。

車中泊サービスは1台につき車両2台分の駐車スペースを利用することができます。利用料金は1区画2500円から3000円。

車中泊はペットと一緒に気兼ねなく過ごしたい、宿泊料を安く抑えたいなどを理由として底堅い需要があります。

コロナ禍でキャンプブームが起きた際、車中泊によるノマドワーカーが目立つようになりました。コロナ収束とともに車中泊の需要は減退したようにも感じますが、検索需要を調べる「Googleトレンド」で「車中泊」を調べると、2020年からほぼ横ばいの推移が続いています。需要が失われているようには見えません。

ローソンの取り組みはコンビニの新たな形として注目されています。

◆伸長する「格安コンテナホテル」

ロードサイドで手軽なコンテナホテルを提供しているのが「R9 HOTELS」。車や鉄道の旅に便利なホテルを、リーズナブルな料金で提供することをコンセプトに展開。全国で約130店舗を出店しています。

今年7月31日に「HOTEL R9 The Yard 日光今市」を新たにオープンしました。「HOTEL R9 The Yard 日光今市」はダブルルーム1人1泊6200円、2人でも8700円で泊まることができます。

コンテナホテルは外観がスタイリッシュで、若者が抵抗感なく使うことができます。建築コストを抑え、宿泊料金を引き下げるビジネスモデル。一棟貸切りのプライベート感もあります。

低料金で泊まれる宿泊施設は需要があり、今後も拡大する可能性があります。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

このニュースに関するつぶやき

  • ネットカフェは、椅子にトコジラミを仕込む不届き者がいるらしいので、おっかなくて利用していません。
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