殺害現場付近に平山容疑者＝事件の状況確認か―那須２遺体

　栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で再逮捕された建設業平山綾拳容疑者（２５）が、夫妻が殺害されたとみられる時間帯に現場近くを訪れていたことが１１日、捜査関係者への取材で分かった。

　警視庁と栃木県警の合同捜査本部は平山容疑者が実行役から報告を受け、現場の状況を確認しようとした可能性もあるとみて調べている。

　捜査関係者によると、夫妻が殺害されたとみられる４月１５日深夜〜１６日未明、現場となった東京都品川区東五反田の空き家付近の防犯カメラに平山容疑者の姿が映っていた。

　同容疑者は同１５日午後１０時ごろ、同区平塚のコンビニ駐車場で、実行役とされる職業不詳姜光紀（２０）、元俳優若山耀人（２０）両容疑者と接触。自身のセダンやガソリン、結束バンドなどを引き渡し、同１１時ごろに徒歩でコンビニを後にした。

　姜、若山両容疑者は約３０分後にセダンで空き家に向かい、同１１時５０分〜１６日午前１時半ごろ、宝島龍太郎さん（５５）、幸子さん（５６）夫妻を殺害したとみられる。平山容疑者は空き家内には入っておらず、電話などで殺害状況の報告を受けた可能性があるという。

　夫妻や姜、若山両容疑者が空き家に到着する直前には、首謀者とされる会社役員の関根誠端容疑者（３２）が周辺を下見。職業不詳佐々木光容疑者（２８）も付近の防犯カメラに映っていた。

　関根容疑者と夫妻の間には、東京・上野の飲食店経営を巡るトラブルがあったとされる。

　捜査本部は関根容疑者が佐々木容疑者を介して平山容疑者に依頼。同容疑者が姜、若山両容疑者に実行を指示したとみて、死体損壊容疑で逮捕した５人を順次、殺人容疑で再逮捕する方針。