『ウォーキング・デッド』ダリル役のノーマン・リーダス来日、アクションシーンで「6〜7回ほど失神した」【単独インタビュー】

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2024年05月17日 08:00  ORICON NEWS

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ノーマン・リーダス (C)ORICON NewS inc.
 米人気サバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』のスピンオフシリーズ第1弾『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』(全6話)が動画配信サービス「U-NEXT」にて独占配信中。その主人公を演じるノーマン・リーダスが来日し、『ORICON NEWS』の取材に対応した。同シリーズの“ダリル役”で一躍ブレイクし、日本にも大勢のファンを持つキャラクターを演じる心境と、スピンオフ撮影でのエピソードなど話を聞いた。

【全身ショット】クールにたたずむポーズを決めたノーマン・リーダス

 2010年のシリーズ開始以来、アメリカで異例の高視聴率を獲得し、日本を含めた全世界から絶大な人気を誇る『ウォーキング・デッド』は、“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこるアメリカを舞台に、人間たちが時にぶつかりあいながらも生き抜く術を模索していくサバイバル・ヒューマン・ドラマ。その奥深さに、芸能界にもファンは多く、まさに海外ドラマの金字塔といえる作品だ。

 同シリーズの主要メンバーの中で、とくに人気を集めていたのが「ダリル・ディクソン」というキャラクター。一見クールに見えるが人情味あふれる性格で、家族や仲間を思う気持ちは誰よりも強い。スピンオフの新作『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』では、そんなダリルのキャラクターがより深く描かれる。すでにシーズン2も決定しており、ファンの「もっとダリルを知りたい」という思いに応える内容といえる。

■フランスを舞台に「アートを作っていた」アメリカとは異なる撮影手法も

――『ウォーキング・デッド』でのダリルの人気はとても高かったですね。今回のスピンオフ作は主演となりますが、プレッシャーは?

【ノーマン・リーダス】演じるうえでのプレッシャーは感じなかった。それよりも、ダリルのトイやフィギュアが100以上もあるキャラクターの中で一番売れたと聞いた時のほうがプレッシャーを感じた。アンディ(リック役のアンドリュー・リンカーン)と会話する中で、「僕の方がおもちゃが売れてる」「Tシャツが売れてる」って冗談を言ってたよ(笑)。

――『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』の企画のいきさつは?舞台はフランスで、今までのシリーズとは雰囲気も異なります。

【ノーマン・リーダス】スコット(総指揮を務めたスコット・M・ギンプル)から、僕とメリッサ(キャロル役のメリッサ・マクブライド)にスピンオフの提案があった。フランス撮影に関しては、アメリカ人が撮影したヨーロッパの作品にはしたくなくて、きちんと“ヨーロッパ作品”にしたかった。ヨーロッパの人々に、「自分たちのショー」だと感じてもらいたかった。なので、ライターさんもショーランナーもみんなフランスの方にお願いしたんだ。

 14〜15年間ずっとバンバン銃を打ち合う展開の早いドラマを作ってきたけど、今回は新しい試みで、単館シネマ作品のようにゆったりとした雰囲気の中で、表情や感情にもフォーカスした作品を作り込みたいと思った。

――撮影について“アートを作っている“と表現していましたね。

【ノーマン・リーダス】そう、すべてのエピソードがアートだと感じている。フランスはカルチャーに満ちたところで、カメラマンもサウンドや衣装、セットの担当者もみんなが情熱を持って真剣に取り組んだよ。

 最初のエピソードのテイク1撮影の時、今までだとスピーディに撮影が進むけど、今回は最初のテイク1でカメラがぐわーっと動いた。その後カメラマンが、葉巻のたばこを巻き始めて照明担当とすごく時間をかけて会話をしていた。「いったい何を僕は待たされているんだ?」と感じて、フランス語が分かるスタッフに聞いたら、「カメラの動きでどういうストーリーを伝えたいのか」という話をしていると聞いた。それを聞いて納得して「だったらもっとしゃべってくれ」と。

 そんな風にシーンやセットのデザインなど、“アート”を作る感覚で毎日撮影して、全てがとても美しくまとめられていた。スピンオフ作のウォーカーたちはみんなダンサーで、身体の曲げ方など動きがアーティスティック。シーズン2はもっとアートになる。アメリカの、お金をかけた機械的な撮影とは違って、本当にフランスでアートを作ったんだ。

■スクリーンで感じ取れる「演者同士のつながり」

――今作は今まで以上に、ダリルの愛情深さが描かれていました。新キャストの少年・ローランとの関係も見どころです。

【ノーマン・リーダス】ローランを演じたルイ(ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)をキャスティングする時、いろんな子役に会ったけど、みんな“演じている”ような感じがすごくして…。だけどその中でルイが来た時、彼だけ1人で天井をぼーっと見ていて、質問をした時には「お母さんはペインターです、お父さんは写真家で、僕はギターを弾きますよ」と答えて、一人だけ違う世界にいるような子だった。

 その雰囲気がすごく好きになって。オーディションの後に彼の父親に会ったら「あ、失敗したでしょ」と。彼はオーディションを失敗したと言ったけれど、「いやそんなことない、とってもよかったよ」と話したんだ。すごく役者としての「ルイ」を守ってあげたくなって、それで彼にローランを演じてほしいと思った。

 僕が彼を守ってあげたいと思うということは、ダリルもそう思うということ。やっぱり演者と役がブレンドする感覚はある。シーズン2にはキャロルがもっと登場するけど、キャロルとダリルの絆もすごく強い。それってやっぱり、今までずっと積み重ねてきた演者同士の関係値がすごく強いから。演者同士のつながりも、スクリーンを通して現れると思う。

――クールで落ち着いた印象のダリルですが、今作では異国の地でとまどう新鮮な姿も描かれます。

【ノーマン・リーダス】実際にフランスの生活でも、フランス語がしゃべれなくて同じようにとまどう姿は多かった。この作品がフランスで発表された時、フランスのいたるところにポスターが貼られたんだ。撮影でパリのアパートに住んでいたとき、地元の方に少しずつ知られていって、レストランで「ボンジュール!」とあいさつされるようになった。最初は僕も現地で困ったことはあったかなと思うけど、撮影では全員がいいものを作ろうと、同じ方向を向いて取り組むことができたね。

――今作で使う武器も見どころですね。ダリルといえば「クロスボウ」のイメージですが、今回は「モーニングスター」を使用します。アクションシーンも迫力満点でした。

【ノーマン・リーダス】『ウォーキング・デッド』終盤で使っていたけど、その後の今作で、フランスの修道院の武器庫のシーンで中世の武器がたくさん並んでいる中で、ダリルが「これなら知ってるな」ということで使った。

 アクションシーンではこれまでにも、たくさんけがをしたよ。肩がはずれたりひざを壊したり脳震とうも。6〜7回ほど失神して、銃が顔に当たって縫ったこともあったよ。

 「モーニングスター」はメタルだからすごく重いけど、実際に撮影のセットで振り回すことはできないから、緑のテープがプラスチックの周りに巻いてあるものを使ってデジタル処理しているんだ。戦闘内で振るときは、メタルの重たいものを使っているよ。もちろん、(ウォーカーの)頭をナイフで指すときも、緑のテープでちゃんと加工されているもので刺しているよ(笑)。けれど一部のアクターは本物の銃を持っていて、それでけがしたこともあった。銃で頭を殴られるシーンで…ここで縫合したんだ。

 じつは殴られたシーンで頭を打ってしまって、すぐに病院に行ったんだけど、その時に偽物の血を体中に付けていたから、病院の医者たちが「なんてことだ!」みたいにな雰囲気になってしまって…(苦笑)。

――それは病院の先生も驚きますね(笑)。最後に改めて「ダリル・ディクソン」はご自身にとってどんな存在ですか?

【ノーマン・リーダス】『ウォーキング・デッド』という作品から友だちがたくさんできたし、彼らは家族であるとも思っている。ダリルは僕の人生の一部で、大きなパートを占めているよ。

■『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』
(原題:The Walking Dead: Daryl Dixon)
(全6話)U-NEXTにて独占配信中
『ウォーキング・デッド』本編のシーズン1から連続して登場するシリーズ屈指の人気キャラ・ダリルのスピンオフシリーズ。生存者によって建てられた文明都市「コモンウェルス」を去り、フランスに漂着したダリルのその後を描く。すでにシーズン2の制作が決定。
製作総指揮:デヴィッド・ザベル、ノーマン・リーダス、グレッグ・ニコテロほか
監督:ダニエル・パーシヴァル、ティム・ソーサム
脚本:デヴィッド・ザベル、ジェイソン・リッチマンほか
キャスト:ノーマン・リーダス、クレマンス・ポエジーほか


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このニュースに関するつぶやき

  • ダリルは原作にないドラマオリジナルキャラなだけにここまで人気出たのはノーマンリーダスの人柄だよね
    • イイネ!3
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