松平健、師匠勝新太郎からの忘れられない言葉「いつも目を輝かせておけ」80歳まで歌い踊れたら

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2024年06月30日 08:01  日刊スポーツ

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芸能生活50周年記念公演などを語った松平健(撮影・中島郁夫)

俳優松平健(70)が芸能界デビュー50年目を迎え、ますます輝いている。「松平健芸能生活50周年記念公演」(7月6〜31日、東京・明治座ほか)を控えるほか、秋スタートのNHK連続テレビ小説「おむすび」で朝ドラ初出演する。心と体を支えるのは、師の言葉や欠かさないトレーニングだ。【小林千穂】


★きっかけは裕次郎さん


芸能生活50年の始まりは2人のスター。俳優を目指すきっかけは故石原裕次郎さん、師匠は付き人を務めた故勝新太郎さんだ。


「裕次郎さんの『太平洋ひとりぼっち』という冒険映画を見て、冒険しなきゃって思いました」


愛知県から上京し劇団をへて勝さんの付き人に。昭和に流行した、靴を脱いでくつろぐじゅうたんバーにおともした時、あこがれの裕次郎さんが声をかけてくれた。


「おふたりが朝まで歌っているのを、そばでずっと見させていただいてました。不思議な感じでした。(裕次郎さんに)『君が松平君か』と。名前を呼んでもらってうれしかったです」


75年、勝さん主演の「座頭市物語」で俳優デビューを果たした。


「劇団で芝居はやっていましたが、本格的な作品は初めてでした。浅丘ルリ子さんを相手に、緊張しっぱなしでした。現場では浅丘さんにきちんとごあいさつしたんですが、終わった後、ロケ先の旅館ではごあいさつしてなかったので、師匠に『バカヤローー!!』って。思い出しますね。礼儀も教わりました」


強く心に残る勝さんの言葉がある。「暴れん坊将軍」で不動の人気を得、大型時代劇などの主演を張っていた時期だ。


「師匠に『目が死んでる。芝居が死んでいる』と言われました。ドキッとしました。どこか落ち着いて満足していたんでしょうね。いつも何かに興味を持て、目を輝かせておけと言われていたのですが、その時の自分にはなかったんでしょう。それからは、いつも目を輝かせているようにと思っています」


キレがあってダイナミックな殺陣で知られる。若いころに殺陣で知られる若駒プロに教わり、勝さんのテンポも染みこんでいる。


「若駒の殺陣の先生に教わったものに、自分流のテンポを加えたりしていましたね。勝先生のリズムみたいなものが自分のイメージに入ってます」


★故真島茂樹さんと


50年間の歩みを象徴する作品で「松平健芸能生活50周年記念公演」が構成される。1部は「暴れん坊将軍」の芝居、2部は「マツケンサンバ2」などの歌が盛りだくさんのショー。


「代表作である『暴れん坊将軍』と、そして唯一のヒット曲! の『マツケンサンバ2』両方ができるので、気持ち的にはウキウキしてます。皆さんに喜んでいただきたいので、今一生懸命に作ってます」


「暴れん坊将軍」は78年に放送開始、シリーズ、スペシャルとして長年放送された。再放送も続いており、幅広い年代が楽しんでいる。


「この作品に出会えたことが、自分の柱です。本当にすばらしい作品と出会えました。やっぱり今見てもおもしろいんですよね。お城の中の生活と庶民との触れ合い、子どもたちも好きなヒーローもの…時代劇の良さがいろいろ詰まっていると思います。(再放送を見て)小さい子がまねしてるっていう話もよく聞きますから、うれしいですね」


ショーでは「マツケンサンバ2」をはじめ、新曲も披露する。5月に「−2」の振り付けを担当した真島茂樹さんが亡くなったことにも触れた。


「『マツケンサンバ2』は彼と一緒に作った作品ですから、これをずっと歌い踊り続けていかなきゃいけないという思いがあります。今回の出し物の半分以上はマジが振り付けをやってくれた曲ですから、多分、どこかで一緒に踊ってるんじゃないか、そんな気持ちでやります。明るく、明るくやりますよ」


★秋からは初朝ドラ


「マツケンサンバ2」は04年の発売以降、何度もブームが来ている。


「リズム的にも歌っててもすごく楽しい曲なんです。聴いている皆さんが楽しくなるのが分かります。皆さん笑顔になりますから」


細かいステップ、歌い踊るテクニックは、20年前からまったく変わっていないという。


「動きながら歌う訓練はしています。できるときはなるべく40分〜1時間くらいウオーキングをします。速足で歩きながら歌ったり、セリフを言ったり。今日も歩いてきましたよ。太陽の光を浴びるのってすごく体にいいそうですし」


昨年から今年にかけ、東京や大阪などで、「マツケンサンバ2」の世界観を表したカフェが期間限定で開かれ、常に予約でいっぱいという状況だった。


「びっくりしました。若い人たちからいろんなアイデアが出ておもしろいです。(カフェには)家族も行ってました」


新しいアイデア、新しい現場が刺激になっている。秋からは、橋本環奈がヒロインを務める「おむすび」に祖父役で出演する。意外にも初の朝ドラだ。


「撮影は始まっていますが、楽しいですよ。橋本さんも明るくていい子ですね。現場が明るくなります」


初の方言にも挑戦しているという。


「福岡の糸島に住んでいる設定なので、糸島弁なんです。これまで周囲が関西弁で僕が標準語という作品はありましたが、僕が方言を話すのは初めてです。難しいですが、来年博多座公演もあるので楽しみです」


もう少し先の楽しみ、目標を聞いた。


「80歳まで歌って踊れたらいいですね。そのためには健康第一。いいと言われたらなんでも取り入れてます。ずっと続けているのは梅干しと自分で漬けるラッキョウ。80歳まで頑張ります」


▼記念公演で共演する辰巳ゆうと(26)


松平さんとは昨年、初めて新歌舞伎座、御園座での劇場公演でご一緒させていただきました。お稽古の時は優しくあたたかく見守ってくださってお芝居のアドバイスをいただきたくさんのことを教えていただきました。そして公演本番が始まり舞台に立つと、優しい松平さんからいつもテレビで見ている圧倒的なオーラをまとった松平さんが登場されて、思わずセリフを忘れそうになったことを覚えています。スターとはこういった方のことを言うんだなとその時感じました! 今回もご一緒させていただけるということでまたしっかりとたくさんのことを学ばせていただきながら頑張ります!


◆松平健(まつだいら・けん)


1953年(昭28)11月28日、愛知県豊橋市生まれ。75年、フジテレビ系ドラマ「座頭市物語」の「心中あいや節」で俳優デビュー。78年にテレビ朝日系「暴れん坊将軍」の主役に抜てきされ人気に。近年ではNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の演技が話題に。ほかTBS系「下剋上球児」、時代劇専門チャンネル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」、舞台「西遊記」など出演。177センチ。


◆マツケンサンバ2


04年7月発売。陽気な楽曲とド派手衣装で歌い踊る様子が相まって大ヒット。同年NHK紅白歌合戦。発売の10年前から舞台のフィナーレで始めたパフォーマンスは音頭→小唄→数え歌→マンボ→サンバと変遷。

このニュースに関するつぶやき

  • 松平健という芸名は、時代劇の主演を張る俳優の芸名にピッタリな芸名だよね。若くして暴れん坊将軍の主演に抜擢されるなんて、運にも恵まれているしね。勝新の推しも関係しているにしても。
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