中川李枝子さん死去、８９歳＝児童文学作家、「ぐりとぐら」

　絵本「ぐりとぐら」シリーズなどで知られる児童文学作家の中川李枝子（なかがわ・りえこ）さんが１４日、老衰のため東京都内の病院で死去した。８９歳だった。札幌市出身。葬儀は近親者で営む。喪主は長男画太（かくた）さん。

　東京都立高等保母学院を卒業後、保育園に勤務する傍ら創作を始め、１９６２年に園児が主人公の童話「いやいやえん」でデビュー。厚生大臣賞、サンケイ児童出版文化賞などを受賞した。

　料理すること、食べることが大好きな野ねずみの双子が活躍する絵本「ぐりとぐら」シリーズは国内累計発行部数が２０００万部を超える人気作に。「そらいろのたね」「ももいろのきりん」などの絵本の他、７１年には戦争体験を基に執筆した「くじらぐも」が教科書に掲載された。

　作詞家としても活躍し、宮崎駿監督のアニメ映画「となりのトトロ」のオープニング主題歌「さんぽ」の歌詞を手掛けた。２０１３年、多数の作品で挿絵を担当した妹の故山脇百合子さんと共に菊池寛賞を受賞した。