俳優の風間俊介が18日、東京・新国立劇場 小劇場で上演される舞台『モンスター』の取材会&プレスコールに登壇した。
【写真】さすが…!迫真の演技で圧倒した風間俊介と松岡広大 本作は、家族から十分な愛情を受けられず社会に問題児として扱われる生徒と、かつての華やかな職場から逃れ、自分自身も深い問題を抱える新人教師との対峙(たいじ)を軸に、大人の子育てと責任、未成年の反社会的な行動といった、教育・家族問題を鋭く表現した物語。
演出を手掛けるのは、国内外の骨太な戯曲の本質を浮き彫りにして見せると同時に、アングラから歌舞伎、シェイクスピアまでジャンルを問わずさまざまな演目に挑み、観客の予想を裏切るポップかつダイナミックな演出が特徴の演出家・杉原邦生。風間演じる主役のトムは、心に深い闇を抱えながらも状況を変えたいと考え、教師としてダリルと対峙することで自分の問題とも向き合っていく。トムと対峙する14歳のダリルに松岡広大、トムの妻でダリルに脅かされるジョディに笠松はる、ダリルの祖母リタを那須佐代子が演じ、濃密な4人芝居を届ける。
11月からこれまで、大阪、水戸、福岡で上演。地方公演での手応えを聞かれると「観客の皆さんがすごく集中して見てくれていて、この空間(舞台)に一緒にいるような感覚で観客の皆さんが見てくれているということがひしひしと伝わってきてうれしく思います」と話し、「この作品は、これからみんなで考えていきたいこと、社会を、どういうふうに捉えていくのかということに深く切り込んでいる作品。なので、観客の皆さんがどこか他人事ではなくて、同じくこの(舞台の物語のような)体験をしたと感じながら、観劇してくださっているということにとても手応えがあります」と力強く答えた。
4人だけで全編を演じる本作。見どころやお気に入りのシーンを問われると「唯一僕が出ていない場面がひとつあるんですね。そこが物語の核となっていて、主人公のトムという僕が演じる役も、このシーンのためにあった礎だなと感じているくらい、ダリルとジョディの2人のシーンがこの物語の核かなと思っています」と説明。
「今まで抱えていた、社会の悲しい出来事に対する憤りや辛さを感じている人たちが見に来てくださったときに、もう一度、社会に、問題に、事件に向き合ってみようと思う勇気をもらえるような作品だと思っています。そんな作品に出会いたいと思っている方にぜひ劇場に足を運んでもらえたらと思います」と決意のある眼差しで語った。
なお、取材会には風間のほかに、松岡、笠松、那須、杉原氏も参加した。
舞台『モンスター』は18日から28日まで、東京・新国立劇場 小劇場で上演する。