賃上げ、成長投資に重点=物価高対応、地方・防災も―来年度予算
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2024年12月27日 15:02 時事通信社
2025年度予算案では、デフレへの後戻りを防ぎ、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」実現に至る道筋を着実なものとするための政策に重点配分した。物価高に対応して公務員らの給与改善を進め、官民で賃上げの機運を高める。人工知能(AI)・半導体産業などの先端分野に投資を促す施策も並んだ。石破政権の看板政策である地方創生や防災への予算措置にも力点を置いた。
政府は11月に閣議決定した総合経済対策で、日本は成長型経済に移行できるかどうかの「分岐点」にあるとの現状認識を示した。予算案でも、物価高を上回る賃上げや成長力を高める支出を最重視した。
賃上げを巡っては、人事院勧告に基づき、公務員や保育士らの給与を改善。人材確保が課題の教員の働き方改革にも対応し、残業代の代わりに支給している「教職調整額」の段階的引き上げを決めた。自衛官の処遇改善では、災害派遣時などに支給する手当を引き上げた。
投資促進に向けては、経済対策で策定したAI・半導体産業強化の枠組みに基づく支援を実施。次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)に出資するほか、革新的AI半導体の基礎研究にも400億円を計上した。
石破茂首相が所信表明演説で倍増を表明した地方創生交付金は、前年度当初予算比で2倍となる2000億円を確保した。自治体の自由度が高い交付金を創設し、人口減に歯止めをかける地方創生を後押しする。石破政権の目玉政策として防災にも注力。内閣府防災部門の定員を倍増し、各都道府県を担当する職員を配置することなどで、予算も2倍に増やす方針だ。
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