クエンティン・タランティーノは、最後の映画製作を急いでいないという。
“10作目を撮り終えたら映画監督引退”を公言しているタランティーノは、現在は妻でイスラエル人歌手のダニエラ・ピックと息子、娘との生活に重点を置き、子供たちが大きくなるまで最終作を待ちたいそうだ。
1月27日に開催されたサンダンス映画祭で、批評家エルヴィス・ミッチェルのインタビューに応じたタランティーノ。バラエティ誌によると、こう話していたという。
「(10作目の)製作に飛び込むことを急いではいないんだ。30年間、この仕事を続けてきた。来月に息子は5歳になる。2歳半の娘もいる。アメリカにいる時は書き物をしているよ。イスラエルにいる時? 私はアバだ。父親さ」
「子供たちがまだ理解できないうちに、旅路を始めるのは自分にとって魅力的じゃない。息子が6歳になるまではどんな映画であれやらないようにしている。時が来れば、息子はその状況を理解できて、現場にいることもできる。一生の思い出になる」
一方、娘に関しては、「すでに天才的な才能を持っていて、すぐに理解するだろう」と続けた。
子育てに忙しい一方、戯曲も執筆していると、タランティーノは明かした。
「いま何をやっているのかといえば、戯曲を書いているんだ」
「それが大失敗すれば、たぶん映画にはしないだろう。でもヒットしたら、それが私の最後の映画になるかもしれない」
さらに映画業界の現状と共に、舞台の脚本を書く方がやりがいがある理由についてこう語る。
「演劇を成功させるのは大変なんだ。だからやるんだ」
「挑戦さ。本物のね。映画はどうだろう? 映画館で4週間、形だけの公開をし、2週目にはテレビで見られるようになる」
「収穫逓減のためにこんなことを始めたわけじゃない。97年も酷かったし、2019年も酷かった。あれが映画の最後の年だった」
「劇場で映画が公開され、2週間後にはこっちの配信でもあっちの配信でも見ることができる。わかった。じゃあ劇場は? そうはいかない。最後のフロンティアなのさ」
「観客は大金を払い、その場所に座る。録音も携帯電話もなし。その時間、観客は全て君のものになる。君の掌にいるわけだ。ただアートをするだけじゃない。観客を驚かせ、素晴らしい夜を提供する」
「それは確かに存在する。最後のフロンティアだ」
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