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夏の暑さでブルーベリーを枯らさないために“今できること”を生産農家が教えてくれる動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で3万3000回以上再生され、「勉強になる」「参考になった」といった声が上がっています。
投稿したのは、YouTubeチャンネル「園芸農家イシヅキちゃんねる」のイシヅキさん。以前には、日頃なかなか見られない、農業や園芸に使われる鹿沼土の採掘現場や生産工程を紹介してくれました。
そんなイシヅキさんは今回、ブルーベリーの生産農家である石黒さんとともに「ブルーベリーを夏の暑さで枯らさないために今からできること」を教えてくれます。というのも、ここ数年は夏の暑さの影響でハイブッシュ系のブルーベリーを枯らしてしまったという声が多く寄せられているのだとか。
石黒さんは、ブルーベリーが枯れてしまう原因の多くは、根詰まりしている苗に対して1日に何度も水を与えていることだと考えているそうです。ここ数年の夏は猛暑であることから、水をやらなければもたないと考えてどんどん水をやっている人が多く、それが逆効果だと考えているのだとか。
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実際に、ブルーベリーは水切れではなかなか枯れず、根腐れで枯れてしまうことが多いのだといいます。実は石黒さんにも、新潟県が暑かった2023年に1日2〜3回の自動灌水(水やりのこと)をしたところ、品種によってはかなり根腐れが起きて枯れてしまったという、手痛い経験があるのだそうです。
これに懲りて、2024年は自動灌水を1日1回にしたところ、どのブルーベリーも何の問題もなく育ったのだとか。ビニールハウスの中は当時40度以上になっていたと思われますが、暑さで枯れたブルーベリーは1本もなかったそうです。
今からできる夏の暑さ対策、それは根をほぐして大きな鉢に植え替えること。石黒さんは9〜10月の植え替えを推奨していますが、秋に植え替えができなかった人は、ブルーベリーの根が動き出す前の1〜2月、遅くとも3月までに植え替えを終えてほしいそうです。今回は2つの苗を使い、実際に植え替えをするところを見せてくれます。
1つ目の苗をポットから取り出してみると、根がパンパンに詰まっていました。この状態で夏に突入して1日に何度も水をあげると過湿状態になってしまうため、今のうちに根をほぐしてあげるといいそうです。根をほぐした後は4.5号から6号の鉢へと植え替えました。これで夏の暑さ対策が完了です。
2つ目の苗を見てみると、こちらも根がパンパンになっていました。1つ目の苗と同じように根を軽くほぐして植え替えればOK。健全な根が生えているブルーベリーであれば、こうやって植え替えておけば暑い夏を乗り越えられるそうです。
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植え替えを終えた後は、夏場の水やりについて教えてくれます。夏場は最低でも朝晩の2回水やりをしないともたないと思っている人が多いそうですが、水やりは1日1回でいいとのこと。また、朝ではなく夕方にたっぷりと水をやるのがいいのだとか。
その理由は、朝に水やりをすると日中の暑さで根が煮えて蒸れてしまうから。石黒さんは、夕方に水やりをし、日中の熱を冷ましてあげる感じのイメージで水やりをするのがベストだと考えているそうです。
また「実は収穫しなくていいけれど木を大きくしたい」場合は、今の段階で花芽を全て切り、この春は花が咲かない状態にするといいそうです。逆に「ブルーベリーの木を大きくしたくないけれど実を収穫したい」場合は花芽の数を減らし、実の収穫が終わったら剪定してしまうといいのだとか。
もう1つの暑さ対策として、鉢の色を白色にするのもオススメとのこと。これからの夏はブルーベリーに限らず、日本中どこでも暑さ対策が必要になってくるだろうと語る石黒さんとイシヅキさん。ブルーベリーを育てている人は、夏場に根詰まりをさせないこと、水をやりすぎないことを意識してみるとよさそうです。
とても役立ちそうなブルーベリーの猛暑対策に、コメント欄では「ブルーベリーは沼ですね。貴重な知識をありがとうございます。勉強になるなあ」「何とか泣かずに夏越ししたい」「ラビット、ハイブッシュ合わせて40本育てていますが、5本枯れました! 根詰まりしてました! 勉強になりました!」「朝より夕方の水やりがイイとは……参考になりました」といった声が上がっています。
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YouTubeチャンネル「園芸農家イシヅキちゃんねる」では、ブルーベリーやブドウなどさまざまな植物の育て方や選び方を公開中。また、ネットショップ「BASE」では、果物の苗などを販売しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「園芸農家イシヅキちゃんねる」
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