卒アルは笑顔でVサイン 「いつ心が壊れたのか」 長野3人殺傷容疑者

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2025年02月15日 15:03  毎日新聞

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高校時代の矢口雄資容疑者=高校の卒業アルバムから

 長野市のJR長野駅前で1月に男女3人が刃物で殺傷された事件で、県警は15日、矢口雄資(ゆうすけ)容疑者(46)=殺人未遂容疑で逮捕=を殺人未遂容疑で再逮捕した。事件について一貫して黙秘している矢口容疑者はどのような人生を歩んだのか。


 矢口容疑者は長野市出身。長野駅前の商店街で80年以上続く老舗時計店を営む家庭に生まれ、3人兄弟の末っ子だった。地元の小中学校を経て県内有数の進学校である県立高校を1997年3月に卒業し、上京して理系の私立大学に進んだ。


 幼少期から運動神経抜群で体操やバスケットボールを習っていたという矢口容疑者は、中学でバスケ部に入った。漫画「スラムダンク」が週刊少年ジャンプに連載されていた時期で、バスケ部は人気があった。


 高校では軽音楽部に入り、端正な顔立ちで女子生徒からも人気があったという。卒業アルバムには、中学時代に短かった髪を伸ばし、笑顔でVサインをする姿が写っている。ただ、旧友たちとはその後、疎遠になったようだ。


 捜査関係者によると、矢口容疑者は大学を卒業後、関東地方のIT系の中小企業に就職したが、1年もたたないうちに辞めた。機械の組み立て工場など、10以上の派遣やアルバイトを転々とした。


 捜査関係者が言う。「どこかの時点で社会生活になじめなくなったのだろうが、犯行動機につながるようなことは本人が何も話さない。いつ心が壊れたのか、分からないままだ」


 事件現場から東に約3キロ、国道にほど近い4階建ての集合住宅。矢口容疑者は事件の約5年前からここの一室で暮らし、逮捕時は職に就いておらず、生活保護を受けていた。月に3万円ほどの家賃を滞納したことはない一方、公共料金の支払いは滞り、電気とガスが止まっていた。1階にある郵便受けは、債権回収会社や法律事務所からの20通を超える督促状であふれていた。【西夏生、斉藤瞳、遠藤浩二】



このニュースに関するつぶやき

  • 中小のブラック企業は残念ながら18時間労働なんて普通。あんなしてたらこころが壊れるよ。(マルハラ)
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