予算修正案、立・維の対応焦点=衆院通過、なお不透明

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2025年03月03日 08:01  時事通信社

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時事通信社

衆院予算委員会で答弁する石破茂首相=2月28日午後、国会内
 週明けの国会は、2025年度予算案の修正案と関連法案の衆院通過に向けて与野党が最後の攻防を繰り広げる。自民、公明両党は4日の通過を目指すが、立憲民主党は「高額療養費制度」の患者負担額上限引き上げの凍結を迫り、採決日程はなお不透明。「年収103万円の壁」見直しで、日本維新の会が賛否を保留しているのも与党にとって不安材料だ。

 「人命に関わることを生煮えで進めてはいけない。最後まで諦めずに頑張りたい」。立民の野田佳彦代表は2日の大分市の会合で、高額療養費制度見直しについてこう強調した。

 立民は与党との予算修正協議で、引き上げ凍結を再三要求し、拒めば採決に応じないとけん制。野田氏は2月28日の衆院予算委員会で、石破茂首相(自民総裁)に1年延期を迫った。首相は今年は予定通り引き上げるとしつつ、来年以降は再検討すると一定の譲歩を見せた。

 だが、野田氏は記者団に「一部修正では不十分だ」と反発。立民の笠浩史国対委員長は自民の坂本哲志国対委員長と会談し、旧安倍派の裏金事件を巡り、下村博文元政調会長ら4幹部の参考人招致の確約も採決の前提だと伝えた。

 日程闘争に慎重だった野田氏が「戦闘モード」に転じたのは、党内事情もあるようだ。国民民主党が「壁」見直しで注目を集めたのに対し、立民の見せ場は少なかった。立民には政権との対決姿勢を重視する議員も多い。野田氏周辺は「凍結くらいのませないと、野田氏の立場は厳しい」と明かした。

 一方、与党は所得税の課税最低限を160万円に引き上げる税制改正関連法案の修正案について、維新に協力を要請。維新は2月28日の党会合で意見交換したが、「これ以上、与党に協力する必要はない」などと反対意見が出たという。3日の緊急役員会で対応を協議する。

 維新は与党と合意した高校無償化に関する党内協議で、前原誠司共同代表ら執行部と馬場伸幸前代表に近い議員との間であつれきを露呈。国民民主から自公維合意が「壁」見直しの「邪魔をした」と批判された経緯もある。維新幹部は課税最低限を政府原案の123万円に戻すよう水面下で求めているが、与党は拒否する構えを崩していない。

 衆院予算委は3日に「内外の諸課題」をテーマに集中審議を行う。与党は4日に締めくくり質疑を行った上で、同日中に委員会と衆院本会議で予算案を採決したい考え。年度内成立に向けて5日から参院審議に移る段取りを描いているが、採決日程は流動的だ。 

記者会見する立憲民主党の野田佳彦代表=2日午後、大分市
記者会見する立憲民主党の野田佳彦代表=2日午後、大分市

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  • 予算通せなかったら予算委員会の長の能力不足なだけだろ。
    • イイネ!0
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