架空口座で詐欺対策を＝自民提言、石破首相「万全期す」

　自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会の高市早苗会長らは３日、石破茂首相と首相官邸で面会し、詐欺被害の深刻化を踏まえ、警察が管理する架空の口座を利用して検挙する新たな捜査手法の導入などを提言した。首相は「早期に対策の充実・強化を図っていく。万全を期したい」と応じた。

　提言では「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」が関与する投資詐欺や特殊詐欺による被害増加に懸念を表明。警察が管理する架空の人物名義の口座を犯行グループに使わせ、利用状況を把握して上層部の検挙や被害金の回収につなげる捜査手法を検討すべきだと訴えた。

　マネーロンダリング（資金洗浄）を防ぐため、暗号資産（仮想通貨）交換業者を含む金融関係機関が取引情報を共有し、不正を検知した際に速やかに口座を凍結する枠組みの創設も提唱。秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」などが犯罪に悪用されているとの指摘を踏まえ、通信内容や登録者情報を迅速に把握できるようにするための技術や法制度を検討するよう求めた。