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特定抗争指定暴力団「山口組」系組員らによる特殊詐欺の被害に遭った福岡県内の高齢者5人が15日、暴力団対策法に基づき組幹部に責任があるとして、篠田建市(通称・司忍)組長ら4人に計2256万円の損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。提訴に向けた弁護士費用の一部を福岡県警が援助する制度を利用した。県警によると利用は2例目で、特殊詐欺事件では初めて。
2023年度に導入された制度で、対象は県警が立件して有罪が確定し、暴力団の関与が一定程度認められる事件。公判記録のコピー代や弁護士の交通費といった提訴前の調査費用を助成する。利用1例目は特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)の元組員の有罪が確定した恐喝事件を巡り、被害者が24年10月に会のトップら3人を損賠提訴していた。
弁護団や県警などによると今回の原告5人は21年に電話を使った特殊詐欺で計約1800万円をだまし取られた。組員らは詐欺罪で有罪判決が確定しており、組幹部は暴対法が定める「代表者等」に当たるため、責任を問えるとして提訴した。
弁護団の本岡大祐弁護士(福岡県弁護士会)は「特殊詐欺の被害は後を絶たないが、提訴の準備費用に何十万円もかかるケースがあり、断念する被害者もいた。援助制度によって被害者が声を上げやすくなった意義は大きい」と話した。
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