「めちゃくちゃや!」 アマゾンが勝手に正規品削除、販売業者の思い

74

2025年04月25日 20:34  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

トライアンドイー社のパルスオキシメーター(左)。右はアマゾンに出品されていた正規品に酷似した製品=東京都内で2025年4月25日午後1時44分、安元久美子撮影

 インターネット通販大手「アマゾンジャパン」(東京都)に賠償を命じた25日の東京地裁判決を受けて、アマゾンに出品した原告の企業側が記者会見し、「市場への影響力が大きい企業だからこそ、責任を果たしてほしい」と求めた。


 「偽造品だ」。2021年8月、アマゾンのサイトを見ていた医療機器販売会社「エクセルプラン」(神戸市)の社長だった藤井敬博さん(56)は直感した。


 エクセル社は神戸市の製造会社の「パルスオキシメーター」を独占販売していた。血中酸素飽和度が測定できる機器で、新型コロナウイルスに罹患(りかん)した人の体調確認のために使われていた。


 エクセル社の正規品は2万5740円なのに対し、酷似した偽造品の価格はわずか2200円。偽造品を手にした消費者から「中国製の商品が届いた」というクレームが相次いだ。


 出品を止めてもらおうと、アマゾンに連絡したが事態は変わらなかった。逆に、エクセル社の商品が出品停止となり、サイトから消えた。アマゾンからは理由の説明もなかった。


 約1億円あったアマゾン経由の売り上げは2カ月後には約61万円まで減少した。「めちゃくちゃや!」。泣き寝入りはできないと司法に救済を求めた。


 25日の判決はアマゾンがきちんと調査しなかった点を「故意または少なくとも重過失がある」とし、プラットフォーマーに偽造品への対策を求めた。


 藤井さんは記者会見で、「自分以外にも偽造品を削除してもらえずに、苦慮している出品者は多い。(偽造品が流通しなくなれば)消費者のためにもなる。企業として重く受け止め、変わってほしい」と訴えた。


 代理人の染谷隆明弁護士は「出品者は消費者の多くが利用するプラットフォームを使わざるを得ない。適正な運用を求めた点は非常に評価できる」と語った。【安元久美子、巽賢司】



このニュースに関するつぶやき

  • アマゾンってホント、いい加減だよなぁ・・まあ、個人が好き勝手やってるメルカリとかはもっと酷いけど。返品詐欺の話とか聞くと怖くて子供の玩具くらいにしか使えんわ。服や時計なんて無理w
    • イイネ!26
    • コメント 4件

つぶやき一覧へ(47件)

ニュース設定