野党、比例にらみ積極擁立=「天王山」1人区も国民攻勢―低迷自民、反転に妙案なく・参院選

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2025年05月01日 07:31  時事通信社

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時事通信社

石破茂首相(左)と立憲民主党の野田佳彦代表
 夏の参院選は全国に32ある改選数1の「1人区」が勝敗を分ける天王山になる。ここでの野党候補一本化の成否が全体の結果を左右してきたため、立憲民主党は「自民党対主要野党」一騎打ちの構図に持ち込みたい考えだ。今回は国民民主党などが比例代表の得票もにらんで積極的に擁立し、話し合いが進むかどうか見通せない。

 「なるべく一本にまとめることが野党の議席最大化につながる。誠意ある対話を続けたい」。立民の野田佳彦代表は4月25日の記者会見でこう語り、1人区の野党候補絞り込みに意欲を示した。

 ただ、現状は理想通りに進んでいない。国民民主は候補者調整に否定的で、一部の1人区では立民の擁立後に参戦を発表。高い支持率を背に「全国で受け皿になる候補者を立てる」(玉木雄一郎代表)と攻勢をかける。

 榛葉賀津也幹事長も25日の会見で「比例もある。しっかり戦う」と譲らない姿勢を強調。立民関係者は「独自路線に走った」と腹立たしげに語った。

 日本維新の会の吉村洋文代表が提唱した「予備選」にも国民民主は後ろ向きだ。立民は維新と協議しているが、立民幹部は「国民民主が乗らなければ意味がない」と語る。維新関係者は、立民と競合する四つの1人区のうち実現可能性があるのは「岐阜と和歌山くらい」と指摘した。

 2016年と19年の参院選で野党共闘を支えた共産も、今回は1人区で擁立を進める。小池晃書記局長は候補者調整の必要性を認めつつ、政党間合意を目指す動きが立民に見えないと厳しい目を向ける。候補を立てなければ存在感低下につながるため、各党のにらみ合いは続きそうだ。

 ◇のし掛かる「裏金」「物価高」

 昨秋の衆院選大敗から反転を期す自民は妙案が見当たらないままだ。物価高に対する有権者の不満は投票行動に直結しかねず、改選を迎える一人は「このままでは戦えない」と悲観する。トランプ米政権の関税措置を巡る日米交渉は7月前半が事実上の期限になるとみられ、合意内容は石破政権の行方に影響しそうだ。

 4月11日には森山裕幹事長と木原誠二選対委員長の連名で、大型連休中の5月上旬に選挙区内をくまなく回るための活動計画を出すよう求める通達を都道府県連に発出。引き締めに躍起だ。

 自民派閥裏金事件も尾を引く。公明党は24日、裏金に関わった自民候補3人の推薦を決めた。自民が公認しなかった候補を推薦したことが衆院選敗北の一因とされたため、公明内には再現を危ぶむ声が強い。関係者は「支援者に説明できない」と不満を口にする。 

このニュースに関するつぶやき

  • 日本をめちゃくちゃにしてきた自民の低迷は当然。裏金議員は全員除名にすべきだし、物価高対策で消費税廃止すべき。できないだろうから、惨敗確定。
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