MISIA (C)Rhythmedia「ラブソングはきっとなくならない」──そう語るMISIAが、約3年半ぶりに15枚目となるオリジナルアルバム『LOVE NEVER DIES』をリリースした。デビュー当初からともに作品を作ってきた作家陣、そして新たなクリエイターたちとのコラボレーションにより、多彩な楽曲が並ぶ今作。ビートの効いた曲からバラードまでを織り交ぜながら、今だからこそ表現したかった愛のかたちを、MISIAに語ってもらった。
ツアー中もレコーディングしていたんですけど、すごく楽しかったです。今年でデビュー27周年を迎えましたが、今回、作曲はデビュー曲の「つつみ込むように…」を書いてもらった島野聡さん、「Everything」の松本俊明さん、「INTO THE LIGHT」の松井寛さん、「オルフェンズの涙」の鷺巣詩郎さんといった20年以上お付き合いのある作家さんから、初めての方まで幅広くお願いしました。
――アルバムに向けて作られた新曲は明るいものが多いですね。
アリーナツアー『THE TOUR OF MISIA』(MISIAのツアーシリーズ)を久しぶりにやろうと決まったとき、だったらこんな歌も歌いたい、あんな歌も歌いたい…とイメージが膨らみました。『THE TOUR OF MISIA』はエンターテイメント性の高いツアーシリーズなので、バラードも良いですがやはり「ビートのある曲もやりたいね」となりました。作曲・アレンジが鷺巣さんの「フルール・ドゥ・ラ・パシオン」、ロサンゼルスにいるICHIくん(Ichiro Suezawa)が作曲・アレンジをしてくれた「CHANGE MY WORLD」、島野さん作曲・アレンジの「Be KIND」、作曲は松本さん、アレンジは松井さんの「LOVE NEVER DIES」、作曲・アレンジが松井さんの「明日晴れるといいな」、アルバム制作の後期に作ったものは全曲ビートものなので、制作時から『THE TOUR OF MISIA』で歌っているイメージがありました。
アルバムとツアータイトルは同じですが、実はツアータイトルの方が先に決まったんです。この「LOVE NEVER DIES」という言葉が好きで、このタイトルの歌を歌いたいと思っていたら、ちょうどデモ曲をいただきまして。サビを「LOVE NEVER DIES♪」って歌ってみたらピッタリで、これは歌う運命なんだわ!と歌詞を書き上げました。シェイクスピアの「お気に召すまま(As You Like It)」に影響を受けながら。作品の名台詞で「この世は舞台だ。人は皆、その舞台の役者である。」というものがあります、そこから一人の人間も、人生という舞台で7つの役(幼児から大人に変わっていく)を演じている…とか、いろんな話が続いていくんですけど、確かにそうだなと。でも、人生のステージは最終的には自分だけのものだから、思うままに後悔のないように、人を愛して、人生を生きて、というメッセージを込めました。YouTubeでは、先行でライブ映像ver.が公開されているのですが、渡辺直美さんが出演してくださったパワフルなミュージックビデオも解禁されていますので、ぜひご覧ください!
――最後にこのアルバムを聴くみなさんにメッセージをお願いします。
ラブソングっていろいろなことに通ずる歌だと感じます。たとえ恋愛の歌だったとしても、人を愛するということはもちろん、友人や家族、大切な人を思った歌に聞こえることもあるし、平和の歌に聞こえることもある。いろいろな歌があるけれど、ラブソングは人の心に、その人の心に寄り添う形で残っていく。愛はたぶん、私たちの根本的な何かだから。私自身ラブソングを27年間ずっと歌ってきました。「つつみ込むように…」を歌ったり「Everything」を歌ったり。ラブソングは終わらない、消えない、愛されていく。『LOVE NEVER DIES』というタイトルにはそういう裏テーマのようなものも込められています。ぜひみなさんの終わらない想いに寄り添えるアルバムになっていったらいいなと思っています。
(聞き手:平山雄一)
■MISIAプロフィール 1998年にR&Bナンバー「つつみ込むように…」でデビュー。同年6月の1stアルバム『Mother Father Brother Sister』は200万枚以上を売り上げ、またたく間にトップアーティストの仲間入りを果たす。代表曲「Everything」など数々のヒットを生み出し、唯一無二の歌声と圧倒的な表現力で日本の音楽シーンを牽引。社会貢献活動にも力を注ぎ、国内外でのライブ活動も精力的に展開している。5月28日に15thアルバム『LOVE NEVER DIES』をリリースする。