ショートフィルム文化の発展に寄与したことから受賞となった。加藤監督は「『MIRRORLIAR FILMS Season7』が特別賞をいただいたということで光栄に思います」と感謝しながらも「しかしながら、このプロジェクトは地方創生というテーマと新人クリエイターの発掘という部分もある。僕がこの場に立たせていただくのは少しおこがましいというか…。あくまで『Season7』の1つの作品を撮っただけ。『MIRRORLIAR FILMS』をSeason7まで続けてきた道のりが評価されたということはうれしく思います」としみじみと口にした。
愛知県東海市の協力のおかげで『MIRRORLIAR FILMS Season7』の『砂』という作品は完成できたという。加藤監督は「映画作りを楽しんでくれる街があるんだと感動しました。東海市で撮影する。半分プロモーションのようなところがある。僕はそこで『オカルト・ホラーを撮りたい』と言った。東海市のプロモーションからしたらネガティブプロモーションになるかもしれないけど二つ返事で快諾いただいた。『東海市が呪われた場所になってもいいですか?』と話しても協力的でした」と、にこやかに振り返ると「問題としては東海市がキレイな街で砂が全然ない」と笑っていた。今は営業していない東海市の市民プールがホラー向きだったそうで「禍々しくて。ロケ地に行って東海市の面白く撮れそうな場所から脚本に生かす。地域の方々の協力で、もともと持っていたプロットがより面白くなった」と秘話も語った。
27回目を迎えた映画祭の今年のテーマは、「creative active generative」。世界中のフィルムメーカーたちの“creative”が集結する映画祭は、作品とオーディエンス、クリエイターと企業が出会い、新たな化学反応が生まれる場を、“active”に創出していきたい、また、「生成AI」にも通じる新たなテクノロジーで新時代のクリエイティブを生み出していきたい(“generative”)というSSSFF & ASIAの現在地と未来図をテーマに映画祭を展開。今年は、世界108の国と地域から4592点の応募の中から選りすぐりの約250作品をリアル会場&オンライングランドシアターで上映する。