風間俊介「夫婦喧嘩は犬も食わない。でも、人は見てくれるんだなと思いました」 『劇場版 それでも俺は、妻としたい』インタビュー

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2025年05月30日 08:30  ORICON NEWS

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風間俊介(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.
 連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などを手がけた脚本家・足立紳が、自身の小説(新潮文庫)を原作に、風間俊介とMEGUMIをダブル主演に迎えて監督も務めたテレビ大阪の真夜中ドラマ『それでも俺は、妻としたい』。同作が未公開シーンを含むディレクターズカット版『劇場版 それでも俺は、妻としたい』として、5月30日より全国で公開される。

【動画】風間俊介のかけがえのない1本

 本作は、売れない脚本家の夫と、そんな夫を容赦なく罵倒する妻との、リアルで笑える夫婦“性”活エンターテインメント。風間が演じるダメ夫・豪太と、MEGUMIが演じる恐妻・チカとのやりとりがSNSを中心に話題を呼び、テレビ大阪制作史上最高となるTVer再生数1500万超を記録した(※2025年1月12日〜4月3日、ビデオリサーチ調べ)。劇場版公開を前に、主人公・柳田豪太役の風間に話を聞いた。

――今回のドラマが劇場公開されると聞いたとき、正直とても驚きました。

風間:僕も驚きました(笑)。ほぼ実話なんですよ、監督の。売れなかった頃の自分をモデルにしているそうで、だからこそ監督にとっても思い入れがある作品なんです。足立監督は映画監督としての顔もある方なので、映画化されるのも自然な流れなのかなと。最初から構想はあったように思います。「映画化されるって聞いて驚いた」と言いつつ、聞いたことがあるような記憶もあります(笑)。

――放送時は見逃し配信の好調もありましたが、ご自身にとって一番印象に残っているタイミングはいつでしたか?

風間:反響をいただいたときですね。この作品って、いわゆるドラマの「起承転結」や“盛り上がり”が明確ではない。どちらかといえば、ドキュメンタリーに近くて、日常にある夫婦のやりとりを描いているので、「ちゃんと届くのかな?」という不安もありました。でも、「面白い」という声を多くいただけて、「あ、伝わってるんだ」と思えた瞬間が印象深いです。

――他人の家庭をのぞき見ているような臨場感がありました。

風間:よく「このキャラクターに共感できましたか?」と聞かれるんですけど、共感を求めていない作品だと思うんです。僕たちは「うちはこうです」と提示して、観る方にそれぞれ感じていただく。“夫婦喧嘩は犬も食わない”と言いますが、人は観てくれるんだなと(笑)。

――「この夫婦よりうちはマシ」と思いながら観ている人もいそうですね。

風間:いると思います。家族の形は千差万別だし、他人の家庭のことって意外と知らない。だからこそ、「のぞかせている」くらいのスタンスがちょうどいいのかなと。この作品は、はっきりとした解決がないままに進んでいく。その点も、逆に新鮮だったのかもしれません。

――豪太というキャラクターを演じる上で意識したことは?

風間:モデルになった監督が目の前にいらっしゃったので、「こうかな」と観察しながら演じました。ただ、逐一答え合わせはしませんでしたね。監督の反応を見ながら、「今のOKは、当時の自分に対するOKなんだろうな」と受け止めていました。さすがに「これは言ってないでしょ?」と聞くことはありましたけど、毎回「言ったよ」って返されて(笑)。お葬式のシーンも「まさか…」と思って聞いたら、「あんなに大勢の前じゃなかったけど言ったよ」って(笑)。

――MEGUMIさんとの夫婦感も自然でした。すぐになじめたのですか?

風間:MEGUMIさんと2人だけのシーンが多かったんです。監督の自宅で撮影していたこともあり、待機場所も一つしかなかったので待ち時間にコミュニケーションをとれたのが、関係性の構築につながったのかなと思います。

――ママ友とのやりとりもリアルで驚きました。

風間:それはやっぱり脚本の力ですね。監督自身の体験がベースになっていて、せりふに血が通っている。だから、自然となじめたのだと思います。

――『警視庁麻薬取締課 MOGURA』(ABEMA)、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)、そして『それでも俺は、妻としたい』、今年に入ってから風間さんの出演作は全部違う癖があって面白いです。

風間:撮影時期は重なっていないのですが、公開や配信のタイミングが重なりましたね。今年に入って、責任のある役が増えたと感じています。そのぶん切り替えも難しくなってきました。昔はもっと軽やかにできていたんですけど、年齢を重ねるにつれてそうもいかなくなってきたなと。

――作品選びの基準は?

風間:自分から「こういう役をやりたい」という気持ちはあまりなくて。セルフプロデュースには興味がないんです。作品の企画者やプロデューサー、監督が「この役を風間に」と託してくださる、その気持ちに応えることを何より大切にしています。20代はほとんど悪役で、最終的に護送されていました(笑)。30代になって、“いい人”の役が増えました。40代、これからどうなるのか、楽しみです。

――最後に、劇場で観る意義について、読者へのメッセージをお願いします。

風間:テレビドラマも今は海外で観られるようになってきていますが、昔から「映画は海を越える」と言われますよね。この夫婦を、世界中の人が“日本のパートナーシップ”として観る可能性がある。もちろん「これが日本の夫婦です!」とは言いませんが、ちょっと驚いてもらえたらうれしいです。映画として、日常を切り取った面白さをぜひ劇場で感じていただけたらと思います。そして、もし海外で評価された時には、「私も劇場で観たよ」と言っていただけたらうれしいです。


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