認知症で行方不明、死者491人=昨年、8割が5キロ圏内で発見―警察庁
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2025年06月07日 14:01 時事通信社

認知症が原因で行方不明になり死亡した人は、2024年に全国で491人に上り、約8割が失踪場所から5キロ圏内で亡くなっていたことが、警察庁のまとめで7日までに分かった。全地球測位システム(GPS)機器などを身に着けていたことで無事発見された例も多く、同庁担当者は「速やかな対応が生死を分ける。機器を無償貸与する自治体もあるので活用してほしい」と呼び掛けている。
警察庁によると、24年に自宅などから行方不明になった認知症やその疑いのある人は全国で1万8121人。前年比で918人減少したが、高い水準のまま横ばいで推移している。大半は届け出から1週間以内に発見され、491人が亡くなった状態で見つかった。
同庁が初めて死亡者の発見状況を分析したところ、382人(77.8%)がいなくなった場所から5キロ圏内で見つかり、約半数は1キロ以内とごく近くだった。場所は「河川・河川敷」が115人で最も多く、「用水路・側溝」(79人)、「山林」(71人)と続いた。この3カ所で54%を占めており、転落したり溺れたりして亡くなるケースが多いとみられる。
無事に発見されたケースのうち、不明者の服などに付けたGPS機器や紛失防止タグで位置を把握し、保護できた例が111件あった。山中で滑落したり、電車で隣県まで移動したりしていて、機器がなければ早期発見が困難だったケースもあったという。ドローンによる捜索が効果的だった例もあり、警察庁は事例を分析し、迅速で効果的な捜索方法を検討する。
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