
親族が亡くなったときに、スマートフォンやPCなどのパスワード等がわからず困った経験はありませんか? 故人のスマホロック解除を試みた遺族381人を対象に行われた調査によると、おおよそ4人に1人がロックを解除できず困った経験があると回答しています。2025年3月に株式会社GOODREIが行った調査で明らかになりました。
【グラフ】どうやってスマホのロックを解除したの?…手法別にみるロック解除成功率(調査結果を見る)
まず過去5年以内に近親者を亡くした方を対象に、ロック解除を試みた年を調査したところ、2021年以降に解除を試みる遺族が増えたということがわかりました。特に2025年は、調査時点(3月)までの回答数から年間換算すると、2024年を大幅に上回ると予測されています。
次に、故人のスマホロック解除を誰が最初に提案したかを尋ねたところ、「他の親族」(30%)が最も多いことがわかりました。次いで「故人の配偶者」、「故人の子ども」と続いていき、「弁護士」「税理士」といった専門家からの提案は少数にとどまりました。
続いて、ロック解除を試みた理由を調べたところ、「連絡先を確認したかった」(22%)がトップ、僅差で「データ・写真を取り出したかった」(21%)が2位でした。3位の「LINEなどのメッセージ確認」(16%)を含めて考えると、故人との繋がりや大切な思い出、役所への手続きに必要な情報を探していることがうかがえます。一方、「サブスクの解約」「認証コードの授受」「金融資産の取出し」といった経済的・実務的な理由も一定数見られます。
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そもそも、故人のスマホがどのようにロックされているか気になる方も多いのではないでしょうか。故人のスマホロック方法は、「パスワード」(36%)がトップで、「PINコード」が2位でした。
ロック解除に成功したか聞いたところ、ロック解除に成功したのは76%、失敗したのは24%でした。
遺族が用いた手法別の成功率を見ると、「故人が普段使っていたパスワード、ロック解除方法を試す」が76%、「故人の生年月日などからパスワードを推測する」が54%と突出して高くなりました。
調査した同社は、「この結果は、故人との関係性が深い家族だからこそ知り得た情報や推測によって解除できたケースが多いことを強く示唆しています。逆に言えば、遺族にとってそれ以外の方法での解除は極めて困難であることも明らかになりました」と述べています。
なお、遺族が用いた手法として「遺体の顔、指紋、写真で認証する」(成功率38%)といった回答がありましたが、調査した同社は「現代のスマートフォンは高度な生体認証技術を採用しており、写真や死後の指紋による認証解除は技術的に極めて困難です。顔認証も生体検知機能により成功しない場合が多い」と補足しています。
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また、「スマートフォン販売店・キャリア・メーカーに相談する」(成功率45%)といった回答についても、「スマートフォン販売店等が直接ロックを解除するケースは極めて稀」とし、「契約者のプライバシー保護とセキュリティ遵守の観点から、本人以外(たとえ遺族であっても)からのロック解除依頼には原則応じない」と述べています。
解除に成功しなかった遺族に諦めた理由を尋ねると、「ロック解除が現実的に不可能だとわかった」が29%で最多でした。続いて「解除に労力がかかりすぎる」(23%)、「パスワード誤りの上限回数に達した」(22%)となっており、これら3つの理由で、全体の約7割を占めていました。
その他に多かったのは「解除に労力がかかりすぎる」(23%)、「パスワード誤りの上限回数に達した」(22%)で、これら3つが全体の約7割を占めました。
最後に、ロック解除で苦労した経験を持つ遺族に対し、「故人が亡くなる前にしておいてほしかったこと」を質問しました。結果、「スマートフォンのロック解除方法を教えておいてほしかった」が最多でした。また、「重要な連絡先リスト」「各種サービスのID/パスワード」「財産に関する情報」なども僅差で続き、調査した同社は、「遺族が必要とする情報は多岐にわたることが明らかになりました」と述べています。
【出典】
株式会社GOODREI/故人のスマートフォンロック解除実態調査(2025年)
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