東京国税局=東京都中央区 中央競馬などの公営ギャンブルで得た払戻金による収益を申告せず、所得税約2億6200万円を脱税したとして、東京国税局査察部が所得税法違反容疑で、サッカーJ3「アスルクラロ沼津」(静岡県沼津市)の運営会社前会長、谷強氏(57)と会社役員の徳中棟梁氏(71)を東京地検に告発したことが11日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、谷、徳中両氏は2021年までの2年間で、中央競馬や競艇などの公営ギャンブルで得た払戻金による収益計約6億1200万円を隠すなどして、約2億6200万円を脱税した疑いが持たれている。
両氏は知人が開発した独自のシステムを利用し、常に収益が出るよう計算しながら1カ月に約20億円分の馬券を購入していたという。査察部は両氏が一定期間にわたり、継続して大量の馬券を購入していたことから、「雑所得」に当たると判断した。
両氏は取材に対し、「国税局の指導に従って修正申告し、納税も済ませている」とのコメントを出した。
谷氏は22年12月〜24年4月、アスルクラロ沼津の運営会社「アスルクラロスルガ」の会長を務めていた。同社は「谷氏個人の税務上の問題であり、クラブの法人としての税務・財務においては、いかなる問題も確認されていない」とコメントしている。