
せっかくパートナーのために用意したご飯を「いらなかった」と言われ、「もっと早く言ってよ!」と思い、心にモヤモヤが残ってしまうことはないでしょうか。ライターをしながらInstagramでイラストを投稿している増田さんの作品『飲み会の日の夜ご飯』では、ご飯の要否を伝えるタイミングによって、気持ちが大きく変わるという話が描かれ、多くの共感が集まっています。
在宅ワークをしながら主夫として、家事や育児を積極的にしている増田さん。妻から「今夜は会社の飲み会だから夜ご飯はいらないよ」と言われても、とくに不満を感じることはないそうです。というのも、毎日の料理は嫌いではないけれど、「今日は作らなくていい」と思える日はやっぱり気がラクになるからです。
このように夕食を作らなくていい日は、増田さんは娘とコンビニやスーパーに行き、お惣菜やカップ麺などを買って食べる(いわゆる中食)のでした。
ところが、もし飲み会があることを言わず飲み会に参加し、しっかり食事を済ませて帰宅して「夜ご飯いらない」と言われたら、まったく印象が異なります。この場合だと、夕食の準備をしたのにも関わらず、用意した食事を食べてもらえないので、「なぜ先に言ってくれなかったのか」と、腹を立てるだろうと増田さんは語るのでした。
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さらに増田さんは、この心理を仕事で例え、上司から資料を頼まれて用意したのに、後からいらないと言われるようなものと言います。確かに仕事の場面であれば、そんな無駄な作業に誰だって憤りを感じるはず。だからこそ「先に言うこと」「早めに伝えること」は、家庭内でも大切にしたい心がけといえるでしょう。
同作について、詳しい話を作者の増田さんに聞きました。
「ちゃんと伝える」「分かり次第早めに伝える」
ー会社で例えられていたのがすごくわかりやすかったです。どのように思い付いたのでしょうか?
私は以前会社員だったのですが、当時、周囲にも「妻に晩ご飯いらないと連絡していなくて怒られた……」という男性がけっこういました。そういう人たちに理解してもらいやすい例えはないかと考えていたところ、もし上司からこれをやられたら嫌だろうな、というこの例えを思いつきました(笑)
漫画にも描いたのですが、早めに伝えれば「じゃあ今日はちゃんとしたものを作らなくていいや」とせっかく嬉しい気持ちになれるのに、言い忘れると「無駄に作らされた」という強い憎悪を生んでしまう行為なので、「ちゃんと伝える」特に「分かり次第早めに伝える」が大事だなあと思っています……。
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ーご飯の準備に限らず、「これ、先に言ってくれたら…!」と感じる場面は他にもありますか?
家族全体に言えることでしたが、晩御飯の準備をしたあとで「〇〇のほうが良かった」と言われて悲しい気持ちになる、ということがちょくちょくありました。最近は一週間分の献立表を先に作ることにしたので解消されました!
また、夫婦の話ではないのですが、娘から急に「明日の授業で習字の筆が必要」とか「ノートがなくなったから必要」などと夜寝る直前に言われることがあり、「先に言ってくれよ」とぶつくさ言いながら近所の24時間スーパーに買いに行くことがあります(笑)
ー夫婦で家事を分担するうえで、「すれ違い」を減らすために意識していることはありますか?
共働き夫婦は忙しいことも多いので、お互いに「手抜きに寛容になる」というのが大事だと思います。家事をハイレベルにこなそうとすると疲れてしまうし、「ちゃんとやらなきゃ」がプレッシャーになってしまう。たまには手を抜いてもOK、というくらいのゆるさを持っていたほうが、結果的にうまくいく気がしています。
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(海川 まこと/漫画収集家)