妻夫木聡、広島で高校生と語り合う “想い”を次の世代へつなぐ『宝島』キャラバン続行中

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2025年07月27日 11:01  ORICON NEWS

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映画『宝島』(9月19日公開)広島キャラバン・崇徳高校新聞部の皆さんと妻夫木聡、大友啓史監督
 映画『宝島』の主演・宣伝アンバサダーを務める妻夫木聡が26日、大友啓史監督とともに広島を訪れ、地元の名門・崇徳高校新聞部(1949年創部)の生徒たちから特別取材を受けた。

【画像】広島キャラバン中のそのほかの写真

 本作の舞台は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄。物資の乏しい時代に、米軍基地から奪った物資を住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。ある襲撃の夜、リーダー格だったオン(永山瑛太)は「予定外の戦果」を手に入れ、忽然と姿を消す。残された幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)は、それぞれ刑事、教師、ヤクザの道を歩みながら、オンの行方を追い続ける。

 新聞部の生徒たちは、映画の感想を交えながら、妻夫木と大友監督に率直な質問を投げかけた。妻夫木は「学生の皆さんと交流を持てる場というのも、全国各地でいろいろとやってきているんですが、皆さんの言葉は僕らの心に本当にストレートに響きます。グッとくるものがあって、本当に感動しております」と語った。

 部長補佐の3年生の生徒が「3時間にも及ぶ内容なのに、心が動かされました」「作品の随所に監督や俳優陣のこだわりが感じられた」などと話すと、二人は自然と笑顔に。

 また、学生から「今はコンプライアンスもなかなか厳しくなってきて。実際に起きたことをストレートに伝えるのはなかなか難しくなっていると思うんですけど、この『宝島』は、現実を伝え、受け継いでいくことの大切さを訴えている」といった意見が寄せられ、監督は「伝えなきゃいけないことを堂々と伝えていかなきゃいけない。そこをわかってもらえてうれしいです」と力強く応じた。

 脚本づくりや撮影へのこだわりについて質問が及ぶと、大友監督は「あの時代を生きていないですし、沖縄の人間ではない。知らないことを追求することに終わりはない。たとえ資料に基づいても、記憶や証言にはズレもある。だからこそ徹底的に調べるしかない」と返した。

 印象的なシーンの一つ、小学校に飛行機が墜落する描写について監督は、「どう再現するか悩み、美術監督が何度も穴を掘り直した。本当に“探りあてる”という作業だった」と苦労を回想。「新聞部の皆さんも、取材を通して“あきらめない姿勢”を大切にしてほしい」とエールを送った。

 また、生徒から「広島では原爆に向き合って取材する機会がある。今回沖縄のことを知れてよかった」という感想に触れて、妻夫木は感情を抑えきれず、涙ぐみながら「僕自身、この映画に関わってなかったら知らなかったことがある。映画は激動の沖縄の時代を描いていますが、日本全体の話なんです。僕たちの話なんです」と声を詰まらせながら語った。さらに、「一人一人の想いが希望の光になっていくんだと僕は信じています。これからもこの想いを伝えていきたい」と決意を新たにしていた。

 同日夜には、広島バルト11での舞台あいさつも実施。上映後には観客の感想や質問を紹介する形式で進行され、印象的な言葉が続いた。

 「父は原爆で祖父母を亡くしています。生かされている命の重さを感じ、これからに向けてできることを考え、次へつないでいきたい」「久しぶりにものすごく頭を使い、考えることをサボっていた自分にも気づくことができました」

 この日が誕生日で18歳になった若者からは「武器を持たなければ話を聞いてもらえない。武器を持ってしまうと戦争になってしまう。今の日本社会に問うようなシーンで、とても心に残っています」といった声も。

 妻夫木は「過去を描くことは未来への問いかけだとこの作品を通じて感じました。今があることは当たり前じゃない。僕らはどう生きていくのか、未来を生きる子どもたちに何を託せるのか、どういう平和をつくれるのか、僕たちの一人一人の想いでいい未来を作れたらいいなと、心の底から思っています。そういうことを考えるきっかけに、この映画がなったら幸いです」と語っていた。

 キャラバンは、8月2日に山形、3日に新潟で実施予定。

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