首相官邸に入る石破茂首相=3日午前、東京・永田町 自民党総裁選の前倒し実施の是非に関し、時事通信は衆参両院議長を除く党所属国会議員295人の意向を調査した。前倒しを要求する考えを示したのは54人で、反対は15人。7割超が態度を明らかにしなかった。内閣支持率が上昇基調にあることで「様子見」も一定程度いるとみられ、こうした議員の動向が情勢を左右しそうだ。
自民の党則は、衆参両院議員と47都道府県連代表各1人の総数の過半数が求めれば臨時総裁選を実施すると定める。現在の過半数は172。総裁選挙管理委員会は2日、要求の締め切りを8日午後3時とし、通知した。
調査は、文書によるアンケート形式で8月26日から9月3日にかけて実施した。
前倒しを求める意向の54人の内訳は、旧茂木派12人、旧安倍派10人、麻生派と旧二階派がともに8人、旧岸田派2人、旧森山派1人、無派閥13人。現職の副大臣と政務官が13人含まれる。
全体として、昨年の衆院選と今年の東京都議選、参院選に3連敗した「けじめ」を求める意見が多数。「自民党は生まれ変わる必要がある」(高見康裕国土交通政務官)、「失敗の責任は一義的に組織の長に帰する」(若手)といった声が上がった。
反対の立場の15人からは、旧安倍派の裏金事件など首相自身から発したものではない問題に敗因があるとして「まずは党の信頼回復に尽力すべきだ」(土屋品子前復興相)とする意見が出た。「政局に走っていると思われ民心が離れる」(棚橋泰文元国家公安委員長)との主張もあった。
残る226人のうち「未定」と答えたのは8人、回答を拒否したのは32人。政府や党の役職に就いていることや、地元組織の判断を待っていることを理由に挙げるケースが多かった。未回答は186人。